歯医者さんが教える！定期検診とPMTCを受けていても虫歯はできる？
投稿日：2023年1月13日
カテゴリ：ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。（vol４４９）
「歯医者さんで定期検診と３～４か月に１度のPMTCを受けてきたのに、
虫歯が見つかってショック・・・」
確かにショックですよね・・・。
患者さんからすると
「歯医者さんや歯科衛生士さんが虫歯を見落としていたのではないか？」
「クリーニングしきれていない部分があったせいではないか？」
とか、疑ってしまう気持ちが出てしまいがちかもしれません。
でも実は、定期検診とPMTCを受けていても虫歯ができる場合があるのです。
また、診察しても虫歯を１００％全部発見することも不可能なのです。
そして、仮に虫歯を見つけたとしても、たとえばそれがC1とか、C2初期だと
治療することが必ずしも正義とは限らないのです。
（そもそもC１を治療するのはWHO勧告に反します。）
★定期検診とPMTCを受けていても虫歯ができる場合がある
たとえば１９８１年Axelssonらによると、
定期検診を受けていないグループと
定期検診・PMTCを受けているグループとで比較した場合。
６年間に虫歯が発生した場所・虫歯になりかけていた場所の数は
定期検診を受けていないグループ ＝１４．０
定期検診・PMTCを受けているグループ＝０．２
と、虫歯の発生率は実に７０倍もの差が出ました。
ここで注目なのが、定期検診・PMTCを受けているグループ＝０．２ です。
０．２であって、０ではないのですよ！
さすがに１００％全ての虫歯を予防する、できる、というのは幻想です。
もちろん私も衛生士さん達も一生懸命診療しています。日々猛烈に忙しいです。
常に気を張り、できる限りのことをしています。
だから実は患者さんだけでなく、歯医者さんも歯科衛生士さんもショックなのです。
私自身、このデータを知ってから１７年が経過しましたが、
やはり医療の限界、人の手では及ばない領域というのは必ずある、と
つくづく思っております。
手塚治虫の有名な医療漫画・ブラックジャックの中でも、
天才手術師・ブラックジャックが恩師・本間先生からかけられた言葉に
「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいと思わんかね」
というのがあります。
人体の一部である歯も同じく臓器であり、生き物です。
１００％予防できる、など幻想を追い求めていると、足元をすくわれてしまうかもしれません。
現実を見ながら、１つ１つ、確実に積み重ねていくほかない、と思っております。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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