歯医者さんが教える歯みがきの本当のタイミング②

こまい歯科の小泉です。（vol６７）

患者さんからよく受ける質問で、

「食後にすぐ歯を磨くと（歯が削れるから）良くない、

って聞いたんですけど、

だったらいつ磨いたらいいですか？」

に対する答えの解説の続きです。

元をただすと、実はこれは

TVや雑誌などのマスメディアが

酸蝕症の論文を曲解して出したデマだったのです。

この論文は酸蝕症における実験論文であり、

歯の象牙質での出来事。

そもそも虫歯の論文ではないのです。

また、現実に

歯の象牙質が露出している人というのは少ないです。

多くの人は象牙質の外にあるエナメル質が露出しています。

ミクロの世界では確かにエナメル質であっても歯ブラシすれば

ごくわずかながらに傷つくこともあるでしょう。

しかしそれは

電子顕微鏡で見るような細かい細かいレベルでのお話です。

現実問題としてはさすがに

「歯が削れるから食後すぐに磨いてはダメ」は言い過ぎ

です。

むしろ

食事をしたらなるべく早く歯みがきして

脱灰の時間を短くするほうが良い

と日本小児歯科学会などは見解を発表しています。

それに、実際の日常生活において、食後すぐに歯を磨いちゃダメ！と言われても

エチケットの問題や、歯磨きし忘れちゃうという問題もありますよね？

ただ、食事をしたら「なるべく早く」磨いても良いですが、

ゆっくりお茶でも飲んで休憩して、それから歯磨きをするのでも良いと

私は考えています。

それにそもそもこの問題、

ちょっとズレてるんですよね・・・。

それよりも

もっと根本的なところを改善したほうが

虫歯予防の効果が出るのに・・・。

その辺はまた別の機会にお話しましょう。

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