歯科治療でのレントゲン撮影による放射線被曝の関係②
投稿日:2020年9月19日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の竹森です。
前回は、歯科医院でレントゲン撮影をした際に受ける放射線量と日常生活において受ける自然放射線量を比較していきました。
今回は身体に影響が出る被曝量についてみていきます。
被ばく線量が500ミリシーベルトを超えると白血球の減少が見られ、1,000ミリシーベルト以上になると自覚症状(悪心、嘔吐、全身倦怠など)が現れます。そして、4,000ミリシーベルトを全身に浴びると、被ばくした半数の人たちが骨髄障害で死亡します。
(広島県医師会 http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/245/3-2.html)
また日本産婦人科学会によると妊婦さん(胎児)に影響が出る被ばく量は約50mSV規定されています。
上記のものと比べて、歯科医院での被曝(パノラマ撮影 約0.03mSv、デンタル撮影約0.01mSv)がとても小さいことが分かると思います。
また、実際に歯科医院で撮影する際には、撮影時に防護エプロンをしてから撮影する場合が多いです。
もちろんプロテクターをしても、撮影する部位自体を防護することは出来ないので、被曝量を完全にゼロにすることは出来ませんが、少なくともそれより下部の肺や遺伝に関係する生殖器は被曝を避けることが可能になります。
(そもそも歯科でのレントゲン撮影の場合、照射野は極めて限定されており、首より下の部分にほとんど被曝は起こりませんので防護エプロン自体の着用も本来必要ないとの意見もあります)
以上から、歯科でのレントゲン撮影の安全性、撮影による健康被害に関して問題ないことをご理解頂けたらと思います。
理解しにくい箇所もあったかと思いますので、ご不明な点等ございましたらいつでも聞いてください。
もちろん、不用意な被曝は避けるべきであり、妊婦さんなどは精神衛生上の観点から緊急性のない場合は、レントゲン撮影をしないことも多いことも併せてご理解頂けたら幸いです。
こまい歯科までお問い合わせください。
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