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歯医者さんが教える!精密根管治療で治らない場合とは?③

投稿日:2023年5月25日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol497)​​​

 

高い成功率を誇る米国式の精密根管治療の100%成功しない理由を考える。

今日は2日目です。

 

①除菌しきれない(その2)

次の写真を見てください。

これは、抜歯した歯を透明処理して、歯の神経があった部分に墨汁を流し込んで

作られた標本の一部です。

 

いかに歯の神経が複雑か?がこの写真からおわかりいただけますでしょうか?

 

とくに写真中央下部の、網目状になっているところとか、

その左右にも走っている神経が細かく枝分かれしている様子が

観察できますよね?

 

こういうことは実際の歯ではよくあることです。

 

精密根管治療ではマイクロスコープをのぞきながら、

歯の神経組織、汚染物質、虫歯などを徹底的に取り除きます。

 

しかし、歯の神経があまりに細くなってしまうと、マイクロスコープと言えども

入り口が全く見えない、ということも起き得ます。

 

一方で、精密根管治療を徹底的に行って、

これ以上ない、というくらい歯の中の汚れを取り除いたにもかかわらず、

歯が腫れた、痛い、歯肉にできたにきびみたいなものが消えない、

といった症状が続いてしまうと、

治療の効果が出ていないのではないか?ということを検討しなければいけなくなります。

 

そういう場合に考えられる原因の1つが、上の写真のように、

歯の神経があまりに複雑で、しかもそこに細菌たちが入り込んでいて除菌しきれなかった、

ということがあり得るわけです。

 

こればかりはCTでもわからない場合も多々ありますから頭の痛いところです。

 

そして、これが原因であれば、

「歯根端切除術」という手術を併用しないと治らないかもしれない、

ということにもなっていきます。

 

患者さんも当然手術はしたくないでしょうし、

私も手術は避けたい、と常々思っています。

 

でも、もしそうなったら、困ったものですね・・・。

 

 

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