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歯医者さんに「歯の神経を抜かなければいけない」と言われた①

投稿日:2023年6月7日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol502)

 

歯の神経を抜かなければいけない、と歯医者さんに言われて

私のところに頼ってこられる患者さんがそれなりにいらっしゃいます。

 

いろんなタイプのケースがありますので、分けてご紹介します。

1.実は歯の神経を取るどころか治療が必要なかったケース

2.歯の神経を取るかどうか悩むケース

3.歯の神経を明らかに取らなければいけないケース

大きく分けるとこの3タイプに分かれます。

 

 

1.実は歯の神経を取るどころか治療が必要なかったケース

 これは非常に数は少ないですが、実は今年前半だけで2例ありました。

 虫歯の診断というのは実はかなり難しいです。

 そして、歯医者さん1人1人で診断基準も変わります。

 

 私も診断はしますが、患者さんのご要望に合わせて治療法を変えることも当然あります。

(医学常識の範囲でですが)

 

 「前の歯医者さんでは、その歯は治療が必要で、歯の神経を取らなければいけないかもしれない、

と言われた。本当に治療が要らないのでしょうか?」

とその2例のうちの1人の患者さんがこうおっしゃいました。

 

 確かにその患者さんのおっしゃる通りですよね。

 

 しかし、実際に診察した結果、

・確かにその歯は表面上、歯の溝が黒くはなっていた。しかし、穴は見当たらなかった。

・レントゲン上で虫歯を示唆する透過像と呼ばれる黒い影が全く見当たらなかった。

・ダイアグノデントという虫歯診断補助機器の数値が30以下

であった(その歯は25だった)。

・全体的に虫歯の履歴がほぼなかった

・反対側の歯も治療の痕が一切なかった

・歯磨きの状態も比較的良かった

・甘いものを飲食する習慣もなかった

・唾液の量は人並みであり、粘性もサラサラしているほうに近かった

などの情報が得られました。

 

これらを総合すると、その患者さんは虫歯のリスクが低いと推測されます。

 

以上から、診断はCO(Caries Observation)。虫歯ではない、と判断しました。

 

 

もちろん、この辺の見解は歯医者さんによって全く異なります。

また、レントゲン画像や、ダイアグノデントの数値だけでは正しく診断することはできません。

あくまで、いろんな情報を総合して判断することが大切です。加えて、時間の経過とともに

どう変化するか?という点も大事な情報ですので、初診時の情報だけでは

どうしても診断しきれない場合もあります。

 

虫歯の診断って、本当に難しい時は難しいのです。

 

その点も予めご承知おきください。

 

 

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