3Mix-MP療法、ドックベストセメントに対する見解
投稿日:2024年2月28日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol607)
3Mix-MP療法、ドックベストセメントに対する見解について
お問い合わせがありましたのでお答えします。
先に結論から言いますと、
この2つの方法は現在、治療法としては推奨されていません。
まず3Mix-MP療法。
これは、麻酔無しで虫歯を痛くない範囲で削り取ったうえで、
3種類の抗生物質を混ぜて、削った部分に入れます。
その上で穴を封鎖するのだそうです。
日本独自の治療法です。
しかし、その失敗例をこれまで数多く診てきました。
治療後から違和感が続いている、という患者さんで、
内部を開けてみると、なんとエナメル質と象牙質の境目近辺に沿って
血管が網目状にひろがってしまっていた、という事例を2つ経験しています。
2つとも、歯の内部も感染が広がっていてボロボロになっていました。
内部が崩壊しきっていたのです。
それからドックベストセメント。
これも3Mix-MP療法と同じ理屈を言いたかったのだと思います。
セメントに含まれている銅イオンが虫歯を殺菌するから大丈夫、と・・・。
しかし、私を頼ってこられた患者さん達は結局神経を取らざるを得ない事例ばかりでした。
私の先輩でロサンゼルスの日本人歯内療法専門医の先生も、
「ドックベストセメントなんて、100年以上前の古臭いセメントなのに、
どうして日本で流行っているのか意味不明・・・」
とおっしゃっておられました。
それが今から8年近く前のお話です。
確かにテレビでも当時は「最先端の歯科治療」と題して紹介されていました。
そんなに良い治療なら、世界的に普及しているでしょうに。
あるいは、良い結果がどんどん出てくるでしょうに。
そうなっていないのが現実です。
ちなみにこのドッグベストセメントも日本独自の治療法・・・。
そしてここ数年、誤解している患者さんが増えてきたなと思うのはMTAセメント。
繰り返しますが、虫歯は原則取りきらないと再発の恐れが高いです。
MTAセメントを入れたから殺菌されて虫歯を全部取らなくてもいい、ということはないのです。
をお探しの方はこまい歯科までご相談ください。
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