歯の神経をなるべく取らない治療法(歯髄保存療法(VPT))⑤
投稿日:2023年6月26日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol511)
古くて新しい、歯の神経を保存する治療法。
それがVPT(Vital Pulp Therapy)(歯髄保存療法、歯髄温存療法)です。
虫歯が非常に深かった場合、歯の神経(=歯髄)を取るかどうか?悩むケース
というのは案外多いものです。
一方、治療前の状態で、
・痛くない(ズキズキ、ズキンズキンしない)
・神経も生きている
という場合にはチャレンジしても良い治療法と言えます。
患者さんからの質問で多いものに、VPTの成功率があります。
いったいどのくらいうまくいくの?ということですね。
文献上ではですが、80~90%あたりの数値が定説になっています。
(ただし、必ずラバーダム、MTAセメント、顕微鏡を使用することが前提)
ただ、この成功率というのは統計学的に算出されたデータです。
もう1つの難点は、そのデータのほとんどが欧米で出されているものです。
欧米人と日本人は根本的に歯の大きさ、形がそもそも違います。
歯が分厚くて、長い。骨もしっかりしている。
歯の神経も日本人に比べて少し太い、と過去に欧米人を診療した経験から感じました。
我々日本人はその点、一般的に歯の神経が細いと言えます。
さらには、そもそも「悪くなってから」「痛くなってから」歯医者さんにかけこむことが
まだまだ多いです。
この2つの点から、
VPT適応なケースというのは案外少ないのではないか?
というのが私の個人的な意見です。
それらを頭に置いた上で、VPTするか?それとも歯の神経を全部取るか?
よく検討したほうがよいでしょう。
世田谷区・千歳烏山でVPT・歯髄保存療法・歯髄温存療法をする歯医者
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