根管治療における痛み・腫れの原因⑤
投稿日:2020年3月4日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol31)
前回の記事に続いて、今度は歯根の先まで器具を届かせることが次のステップとなります。
レントゲンでもともと歯髄腔(歯の神経・血管の空間)が太いことを把握していたため、
ある程度太いファイル(=治療器具)でも入るだろうなという予測をしつつ、
通法どおり器具を挿入したら、根尖まで簡単にパスできました。
今回は肉眼での治療なので普段と違ってどんどん進めていきます。
尖端まで到達したのは良いのですが・・・。
歯根の尖端を見てみましょう。
ファイル(=治療器具)はわざと根尖から突き出しているのでそれは問題ありません。
問題は写真でのファイルの左側にある物体で、これが歯の中から
押し出されてきたのです。
この物体が歯髄(歯の神経・血管)です。
ちなみにファイルを入れる前の状態がこちら。
この歯は根尖が大きく開いていたこと、そして手用ファイルを使ったことにより
歯髄が歯の中から押し出されて出てきたわけです。
これ、実際の臨床だったら、痛みの原因になるかもしれませんね。
手用ファイルだけの治療だと、こういう現象が起きやすいのです。
もちろん実際の臨床では、ここまで根尖が開いている状態で
初めて歯髄を取るケースというのは大人では希少です。
(乳歯や中高校生とかは別)
一方、神経は既に取ってある歯であっても、
治療したら痛くなった、あるいは治療を続けているのに痛みがある、という
ケースだと、ここまで根尖が開いていることもよくあります。
これはそもそも治りづらい分類に入りますし、
歯の中の内容物が歯の外に出ること自体、治りづらい原因になるので、
同じく手用ファイルでの治療をする場合は厳しくなりやすいです。
もし根管治療を受けていてなかなか治らない場合、もしかすると
こういう現象が原因になっている可能性もあります。
世田谷区・千歳烏山でマイクロスコープ根管治療をする歯医者をお探しの方は
こまい歯科にぜひご相談ください。
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