なぜ歯が痛むのか?④
投稿日:2024年2月14日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol600)
今日は
④神経因性歯痛ではこの侵害受容器の興奮が起きない、
でも一方で、活動電位、すなわち痛みを伝える電気信号自体は発生する、
の謎についてです。
末梢神経性と中枢神経性の2つがあります。
1)末梢神経性神経因性歯痛
末梢神経(特に感覚神経、自律神経)の損傷や切断によって
それらの神経細胞自体の興奮性や遺伝子の表現型が変化する
ことによって起こるもの。
①損傷した神経が自然に発火(電気信号を自然に起こす)する頻度が増える
②損傷した神経が押したり触ったりする刺激に敏感になったりする
③傷ついた神経細胞の末端に神経腫ができて、それが痛みに過敏になる原因となる
▲神経束に生じた神経腫(Sunderland.1978)
④触覚神経や自律神経だけに伝わるべき電気信号が、神経線維の絶縁不良のために途中で
痛覚神経にも電気信号が伝わってしまう(エファプス伝達)
⑤末梢神経が損傷して神経腫が形成されると、神経腫に受容体が増えたり
受容体の感受性が高まる。
その状況で精神的ストレスなどで交感神経が興奮すると
交感神経から放出されたノルアドレナリンが損傷した末梢神経の
神経腫の受容体にくっつく割合が増加するので痛覚神経の興奮も増えてしまう。
⑥神経細胞の遺伝子に変化が生じ、痛覚物質(サブスタンスP、CGRP)を
放出し、痛覚神経を興奮させる
以上が末梢神経性神経因性歯痛のメカニズムです。
今日はここまで。中枢神経性神経因性歯痛は次回ご紹介しますね。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
■ 他の記事を読む■