歯医者さんが教える!虫歯は痛くなくても進みます
投稿日:2022年4月7日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol317)
「虫歯は痛くなる前に治療したほうが良い。」
確かにそうなのですが、実はここに1つ難しい問題が潜んでいます。
それは、治療したら歯が痛くなるケースが起きうることです。
患者さんからすると、
「今まで痛くなかったのに、治療したら痛くなった。治療のせいだ!」
と決めつけたくなるのもわかります。
しかし、虫歯が一番やっかいなのは痛くなく進行することです。
だから、
レントゲン的にも実際に歯の表面を見ても、C2と思っていた状態が、
実はC3だった・・・!
ということもよくあるのです。
これが歯医者さん達の頭を最も悩ませるポイントの1つで、
患者さんとの間に誤解が生じやすいところでもあります。
一方、ここ数年で学術的な面でも新たな事実が分かりました。
それは、象牙質に虫歯が到達すると、
全てのケースにおいて虫歯菌が歯髄(歯の神経)に入り込んでしまっている、
ということなのです。
これも「痛くないのに虫歯は進む」の一面を示していますね。
しかし慌てないでくださいね。
歯髄に虫歯菌が入っていても、ある程度までなら虫歯を取りきれば
歯髄から細菌がいなくなり、歯髄も回復してくれます。
だから、C2だから全部のケースで歯の神経を取るのは馬鹿げていると言えます。
ただし、あるポイントを超えると歯髄に入った細菌はいなくならず、炎症が悪化していきます。
この分岐点がどこなのか?は誰にもわからないのです。
となると、やっぱり治療してみないとわからない、ということになります。
もちろん自覚症状や検査によって、事前に歯の神経を取ったほうが良さそうかどうか?
の判断はある程度はつきますが・・・。
でも私は神様ではないですし、歯髄はできる限り取りたくない、と常に考えています。
しかし、治療後に痛くなってしまうのも申し訳なく思いつつ、万能の神ではない以上、
人事を尽くして天命を待つ。
あとで患者さんも私も後悔しないように・・・。
今、この瞬間にできることを精一杯やるしかない・・・。
いつもこう心の中で思っております。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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