歯医者さんが教える!根管治療の限界
投稿日:2021年7月16日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol196)
昨今、マイクロスコープによる精密根管治療を受けたい、
という患者さんが増えているようです。
確かに根管治療を精度高く行うことで、
一般的には抜歯になってしまう確率を
大きく下げることが可能です。
ただ、残念ながら100%治るわけではありません。
これは歯以外のことでも当てはまりますよね?
たとえば道路を歩いていて、100%交通事故に遭わない!と言えるでしょうか?
もちろん普段はそんなことを考えないですし、考えていたらノイローゼになってしまって
外を歩けなくなるかもしれませんね。
根管治療は、保険診療でよく行われる肉眼での治療で30%程度の成功率と言われています。
マイクロスコープを使った精密根管治療の場合、
初めて歯の神経を取るケース(抜髄)だと90%程度。
既に神経を取ってある歯が炎症を起こして治療するケース(感染根管治療)だと80%程度。
世界中の論文などの報告でもこれと似たような数字が出てきます。
逆に言えば、10~20%程度はマイクロスコープを使った精密根管治療であっても
治らない可能性がある、ということでもあります。
ここに根管治療の限界があるわけです。
この点を理解しつつ、あとは皆さん人それぞれ、何を重視するか?で
選択肢が変わってくるのではないでしょうか?
「歯を抜いてインプラント」はあくまで最後の手段です。
なるべく抜かずに歯を温存し、天寿を全うできれば最高ですね。
私は歯科医ですが、人間であり生きていますから同時に患者でもあります。
私自身も根管治療の限界を理解しつつ、もし自分の歯の神経を取るのであれば
精密根管治療を迷わず選びますね。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
■ 他の記事を読む■