歯医者さんも困る虫歯になりやすい詰め物とは?
投稿日:2020年12月16日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol98)
当院では治療が終わっても定期検診とクリーニングに通う方が
とても多いです。
そして検診をすると
「虫歯はできていないですか?」
という質問をよく受けます。
ところが、答えるのが難しいな、と思うことがよくあります。
(もちろん患者さんにも私の考えや感想を正直にお伝えしていますが・・・)
たとえばレジン充填と呼ばれる詰め物です。
これは通常は保険診療で行われる材質です。
稀に、自費診療で行うダイレクトボンディングと呼ばれる治療でも使われます。
いずれにせよ、どちらもレジン充填と呼ばれる材質の範疇には変わりありません。
問題はレジン充填の特徴です。
本来は小さい虫歯、特に前歯に対して使われる材料でした。
ただ、開発が進んで奥歯にも使えるような強度が出せるようになり、
今ではどの場所にも使えるようになっています。
その結果、何でもかんでもレジン充填、
ということで使われてきたため、
許容範囲を超えるような大きな穴に対してもレジン充填で
詰められている患者さんが散見されます。
ところが、
そういうレジン充填の下で虫歯が大きく進むケースが頻繁に
見られる、ということを何度も経験しました。
レジン充填は色が白いため、患者さんはその場で大変喜ばれます。
しかし、中長期的には虫歯がその下で進むことも多い、という特徴もあるのです。
(もちろん全部が全部ではなく、大丈夫なケースもあります)
中には、
レジン充填がきれいなため、表面から見ても虫歯を発見できないケースが
ざらにあります。
場合によってはレントゲンにすら、レジン充填の下に虫歯ができていても写らない、
ということもよくあるのです。
同時にレジン充填は気をつけないとプラーク(細菌の塊)が
すぐ付着しやすいことでも有名です。
そのため、
レジン充填は歯医者さん泣かせ、そして患者さん泣かせ、の材料
という面もあります。
何でもかんでもレジン充填ではなく、
歯の幅の30%を超えない虫歯かどうか?
その方の噛む力が強いかどうか?
どういう位置に穴があるのか?
などといった要素をちゃんと把握した上で
使用の可否を決めないとレジン充填はうまくいかないのです。
そういう特徴を知ったうえで、適材適所でレジン充填を使うのが賢明です。
(つまり、レジン充填は小さい虫歯にこそ最適、ということです)
をお探しの方はこまい歯科までご相談ください。
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