歯医者さんが教える!マイクロスコープのおかげで救える歯②
投稿日:2022年6月23日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol354)
肉眼では治せない歯がマイクロスコープを使うと治せるようになった、
というケース第二弾です。
それは歯根の尖端の孔に亀裂が入ってしまった場合、です。
実はその亀裂の多くの場合が、人工的に起きてしまう、ということを
ご存知でしたでしょうか?
肉眼での治療では、下図のように、ファイルと呼ばれる器具を
歯の中に挿入し、根管(歯の神経・血管があった場所)の中を
クリーニングするとともに、形を整えていきます。
ただし多くの場合、根管が細くなってしまっているので
拡大しなければなりません。
そのため、どうしても器具を押し込む動作をしてしまうのです。
もちろん、全部がダメとは言いません。
危ないのは、#20(直径0.2㎜)のファイルを尖端まで入れる場合です。
下図のように、歯の尖端に向かって押し込むことで、黄色の方向に力がかかります。
すると、歯根の尖端が赤の方向に開こうとするのです。
この一連の動作によって、歯根の尖端に亀裂が入ってしまう、というわけです。
また、#20より1つサイズが太い#25になるともうダメです。
しかも剛性が急に強くなって、少しでも根管が曲がっていると追随できなくなるのです。
(器具が曲がらないのでそのまま真っすぐ猪突猛進してしまう、
と言えばわかりやすいでしょうか?)
#15ですら、亀裂が入る危険性を指摘する先生もいらっしゃいます。
しかし、大学歯学部の教科書には未だ歯根の尖端(根尖孔)を#25まで拡大せよ、
と記載されたままです。(保険診療のやり方が変わっていないのだから仕方ないですが)
一方で、このように肉眼による歯の亀裂で、ずーっと違和感が続いてしまう、という現象も
起きてしまう場合がある、というのが現実です。
一度こういうのが起きてしまうと、リカバリーは大変です。
そうなると、マイクロスコープで治療するか、外科的に歯肉を切って、歯根端切除術を行うか?
といった話になってくるのですが、外科は避けたいですね・・・。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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