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歯医者さんが教える!マイクロスコープのおかげで救える歯③

投稿日:2022年6月24日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol355)

 

肉眼では治せない歯がマイクロスコープを使うと治せるようになった、

というケース第三弾です。

 

それは歯根の中に穴が開いているケースです。

(たとえば下図の赤い丸部分)

専門的にはパーフォレーション(穿孔)と呼んでいます。

 

以前は、パーフォレーションが起きた場合、最悪半年で

その歯がダメになる、とも言われていました。

 

そのため、当時の唯一のリカバリー方法は歯科用接着剤のスーパーボンドで

パーフォレーション部を埋める、というものでした。

 

中には何とかうまくいく場合もあったようですが、

多くの場合はむしろうまくいかなかった、と言われています。

 

また、マイクロスコープを使ってスーパーボンドでパーフォレーション部を

埋められていたケースを治療してみると、途中から悪臭がすごく立ち込めて

くることばかりです。

 

いかにスーパーボンドの下で腐敗して、雑菌が増殖しているか?がわかります。

 

患者さんの多くも、その悪臭に治療中気づいておられるようです。

そのため、治療中の動画も一緒に確認した際、

全員がその場で状況をすぐご理解いただけております。

 

一方、20年以上前からMTAセメントが登場し、日本でも使われるようになりました。

 

気をつけないといけないのはMTAセメントを使えば何でも治る、というわけではありません。

 

ただ、「ラバーダムをし、術野をヨードで消毒した上で」が前提条件となります。

 

その上で、

マイクロスコープでできるだけ歯の内部の虫歯や汚染物質を取り除いて消毒して、

それからMTAセメントを使用すると、パーフォレーションしているケースであっても

術後の回復が劇的に良い状態で推移するケースが急増しました。

 

もちろん、このパーフォレーションはもともと厳しいケースですから、

全部が全部治るとは限らないので、そこは過剰な期待を抱かないよう注意が必要です。

 

それを踏まえれば、

もし今、皆さんが抜歯宣告を受けたとしても、

このケースに該当するならば、回復の希望の灯を消す必要は

ないかもしれません・・・。

 

そんなことも知っていただければ幸いです。

 

 

 

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