歯列矯正で歯を抜くか抜かないか?
投稿日:2024年1月25日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol590)
歯並びを治す際、多くの場合で問題となることの1つのが
歯を抜いて治すか?抜かないで治せるか?
です。
歯列矯正自体には大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つがあります。
また、ワイヤー矯正といっても様々なやり方・考え方が混在していますので
先生によって見解が全く異なる点を予めご承知おきください。
マウスピース矯正においては、今現在の技術では抜歯が必要な場合には
向いていないこともご承知おきください。
その上でですが、私の場合は85%のケースは抜歯せずに治療しております。
つまり15%の方は抜歯した上で矯正治療をしております。
抜歯すると治療期間も長くなります。
かくいう私自身も矯正治療を受けた時に上下4本の歯を抜きましたので
その時の苦労は身をもって体験しております。
だから私自身も基本的には抜かずに治して差し上げたい、と常々思っております。
一方で、本来なら歯を抜くべきケースなのに、抜かずに治そうとする場合には何が起きうるか?
一番怖いのが、顎の骨から歯自体が飛び出してしまうことです。
突然歯が骨から飛び出ることはありませんが、無理やり歯を抜かずに矯正治療を
していると、時間とともに徐々に歯が骨から出てしまうのです。
ですから何でもかんでも抜かずに治す、というのは間違いです。
また、歯のでこぼこ(いわゆる叢生)が全くなくても
抜歯の対象になることも稀にあります。
要するに診断がとても大事なわけです。
ただ、人間の身体が相手です。
私の矯正のお師匠さんも、最初に診断していたかみ合わせのパターンで治療を
進めていくと、実は真実は違ったことがわかり、途中で診断を変えて
方針も変えた経験がある、とおっしゃっておられました。
もう1つ難しいのが歯を抜くか抜かないか?の瀬戸際にある、
いわゆるグレーゾーンのケース。
どんな名医でも最初からすべてを予見しきることは不可能です。
幸い矯正治療は1年、2年という長い月日の単位で治療を行いますので
抜歯が必要かどうか?を判定することには時間的猶予もあります。
ですから私はとりわけ矯正治療における抜歯・非抜歯は
慎重に判断するようにしております。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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