歯医者さんが教える良い歯医者って?③
投稿日:2020年2月19日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol24)
グローバリゼーションの流れか、海外に転居される方がたまにいらっしゃいます。
そういう方々から、「海外の歯科治療ってどうなんですか?」
と聞かれることがあります。
たとえばアメリカは素晴らしい技術が生まれたりする国です。
シリコンバレーのエコシステムは目を見張るものがありますね。
マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズ、
Amazonのジェフ・ベゾフ、テスラのイーロン・マスク・・・。
ああいう人材達は日本にはまずいないですよね。
歯科もそうです。確かにアメリカの歯科には素晴らしい部分があります。
(全部を称賛するわけではなく問題点もありますが)
また、アメリカだけでなく、予防歯科が発達した北欧諸国は
アメリカとはまた違った別の良さがあります。
それらの歯科先進諸国の知見、技術は日本にはないものも当然あるため、
日本の歯科も学ぶべき部分が多々あります。
ただそれにも関わらず、
アメリカ在住の方々はじめ、海外で歯科治療を受けた患者さんが
日本に戻ってこられると、あまりいいお話を聞かない確率が高いのです。
残念なことです。
言葉の壁はさることながら、人種差別の問題もまだまだ根強いようで・・・。
(もちろん中には運よく?良い治療を受けられた方もいらっしゃいますが)
私自身、実際にアメリカやヨーロッパに行ったり、
向こうから帰ってきた先生・歯科技工士からの情報を
見聞きしてきた限りでは、
一般に
1.日本の歯科医師は世界的に見ても器用で繊細
2.根がまじめな国民性なので他国の歯科医師に比べて
平均的に信頼性は高いのではないか?(施術内容は置いておいて)
3.保険診療は世界的に見て圧倒的に割安な治療がほとんど(5分の1~10分の1)。
例)親知らずの抜歯:USだと20万円、日本だと窓口負担で1万円未満。
根管治療 :USだと1根管5万円(奥歯で15~50万円) 日本は数千円
4.治療費が相当安い項目は
技術的にも遅れている(中でも根管治療、歯周病治療は遅れている)。
5.日本でも技術を正しく磨いている歯科医であれば、
自由診療の水準に限ってではあるが
他の歯科先進諸国にも引けは取らない。
保険診療では遅れている根管治療、歯周病治療も、
自由診療で力を入れて治療に取り組んでいる先生は決して遜色ない。
6.どの国でも結局最後は「人」。
その先生の人柄、哲学がなければ、技術がいくら高くてもダメ。
そして患者さんと相性が合わないとダメ。
と個人的には思っています。
3.については、やはり日本は治療費は先進国の中でもかなり安いです。
去年驚いたのはオーストラリア在住の知り合いの方で、
小さいレジン充填処置を受けたら500豪ドル(約3万6千円)したそうです。
日本だったら保険診療で2、3千円なのですが・・・。
(注:日本でも自費診療でラバーダムをして、顕微鏡やルーペを使って、
慎重に丁寧に虫歯を取ってレジン充填を、となれば
2、3万円程度はかけないと高いレベルでの治療を
受けることは難しいです。
ただ、海外のその歯科医院が日本の保険診療と変わらないレベルの
治療をしていたっぽいので、それはいかがなものかと・・・。)
海外に歯科治療を受けに行く人もまれにいるそうですが、
私には逆に損をしているとしか思えません。
4.でも挙げましたが、唯一残念な点としては、
日本の保険診療システムは世界の標準治療に比べて
陸上トラックにたとえると2周3周も周回遅れになってしまっているところです。
治療費で比較するとそれ以上に
差が広がっている(海外はとても高く日本は異常に安い)ので
自然といえば自然なのでしょうけれど・・・。
WHOは日本の保険診療を世界一費用対効果が高いシステムだ
と評価してくれましたが、
歯科は残念ながらそういう状況です。
アメリカや中国の技術発展はすさまじいですから、
歯科もうかうかしていると完全に置いて行かれるかもしれない勢いですが、
今のところは
自ら受けたい治療をしてくれる歯科医院を探せば(という条件つきですが)、
まだまだ安心して治療を受けられる国だと私は思っています。
もちろん、海外にも良い先生はいっぱいいらっしゃいますが、
日本国内同様、良い先生に出会う確率はなかなか難しいものがありますね。
そういうわけで、今のところは可能であれば海外に行かれる可能性のある方は、
日本国内で治療をできる限り済ませておいたほうが得策でしょうね。
世田谷区・千歳烏山でなるべく抜かない歯医者をお探しの方は
こまい歯科までご連絡ください。
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