歯医者さんが教える!抜歯すると腫れますか?
投稿日:2020年12月18日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol100)
昨日は、患者さんの「抜歯すると痛いですか?」というご質問に
お答えしました。
今日は似たようなご質問で、
「抜歯すると腫れますか?」
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基本的には腫れる可能性が高い、と考えましょう。
抜歯をする、ということはどうしても傷がつく、ということでもあります。
腫れる、という反応は炎症そのものです。
炎症の原因は、この場合は感染と抜歯によってできた傷そのものです。
傷がつくと、そこからお口の中の雑菌が侵入してきます。
また、傷を治そうとして身体の細胞がわーっと集まってきます。
雑菌に対しては身体の免疫力に加え、抗生剤の援軍で十分対抗できます。
しかし、傷を治そうとする力だけは身体の自然治癒力に頼るほかありません。
自然治癒力というと抽象的ですので具体的かつ端的に言いますと、
まずは血管が収縮し、血小板とフィブリノーゲンで血を止め、
続いていろんな反応が滝の流れのように起きて確実に出血部位を固めます。
それから傷ついた場所を治すための材料と人手が必要となります。
材料と人手を送り込むための道路である血管(毛細血管)が増えます。
その道路である血管を通って
白血球、リンパ球、免疫グロブリン、
などといった免疫を担う細胞や物質達もどんどん集められ、送り込まれます。
同時に免疫は兵隊と同じで、外から来た雑菌と免疫系細胞たちが戦ったり、
抜歯した場所を治そうとしてくれます。
これらの過程でさまざまな物質が新たに発生します。
その結果、炎症が起きるのです。
炎症は痛み・赤み・発熱・腫れ・機能障害の5つの特徴があります。
皆さんがよく気にされる「腫れ」も炎症の結果そのものなのです。
ちなみにアメリカだと、
この腫れを嫌がる人のためにステロイドを処方する場合もあるようですが、
ステロイドはわかりやすくいえば全ての反応を抑えるものです。
だから、腫れも抑えられてしまうのです。
しかし、
「腫れ」自体は治る過程で起きる通常の反応そのものですから、
腫れをステロイドで強引に抑えると、その副作用として雑菌に感染しやすくなる、
という欠点もあるわけです。
だから抜歯においてステロイドはうまく付き合わないと諸刃の剣となります。
ちなみに日本では、
保険診療で抜歯する場合にはステロイドの使用は一切認められておりません。
まして感染の副作用もあるわけですから、
「腫れ」というのは確かに困るけれども、
1週間程度で治まることがほとんどですし、
「腫れないほうが正しい」という考えは
実はある意味で間違っているとも言えるのです。
もちろん、
抜歯する歯医者さんの側も、
好き好んで患者さんを腫れさせようなんて
思っている人は1人もいません。
ただ単に、
誰がどれくらい腫れるのか?腫れないのか?
を正確に予測することは不可能
なので、
「抜歯をする以上は腫れる」
と考えるのが自然とも言えるのです。
※腫れても構わない、という意味ではありません。
不必要に腫れないようにいろいろ工夫はしております。
また、全員が抜歯して腫れるわけでもありません。
をご希望の方はこまい歯科までご連絡ください。
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