歯医者さんが教える!銀歯とセラミックの違い①
投稿日:2021年9月10日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol221)
患者さんからたまに受ける質問です。
「銀歯とセラミックってそんなに違うんですか?」
A:全然違います。
さらに言えば、歯医者さん達は毎日のように詰め物やかぶせ物を入れていますが、
自分の歯には絶対銀歯を入れません。
しかし、銀歯は保険で認められているのでやらざるを得ない、というのが実情です。
では、具体的にどう違うのか?分析してみましょう。
1.見た目が違う
これは一番わかりやすいですね?銀色と白色なので・・・。
2.銀歯は虫歯になりやすい・セラミックは虫歯になりにくい
1995年森田らの研究に代表されますが、銀歯の寿命は約5~7年程度です。
つまり劣化してさびやすいのです。
さびると、歯と歯の間にすき間が開いてきますのでそこから虫歯菌が侵入・増殖し、
虫歯が再発しやすいのです。
一方、セラミックは虫歯が内部で広がりにくいです。
理由は2つ。
1つはセラミックと歯が接着されるため、すき間が生じないことと、接着剤によって
セラミックに覆われている歯の表面がコーティングされるため虫歯になりにくいのです。
もう1つはセラミックはツルツルした表面性状で、虫歯菌が付着しづらい点です。
銀歯はどんなに研磨してツルツルな表面にしたところで、やはり虫歯菌が付着しやすいのです。
両者を比べるとその差は歴然としています。
(注意:セラミックならお手入れをしなくていい、という意味ではありません)
3.そもそもの質が違い過ぎる
製作に費やしている労力が全く違うため、質も歴然とした差があります。
銀歯は300~800円。
セラミックはいろんな種類がありますが、たとえばメタルセラミックス(通称メタルボンド)だと
技工士さんに支払う料金だけで2~3万円もします。
そして歯とぴったり合わせるには数ミクロン~30ミクロン以内の精密さでなければいけません。
しかし、製作費数百円でわずか数ミクロン~30ミクロンの精密さを実現せよ、と
言われたらどうでしょう?
無理です。技工士さん達は一生懸命作って下さっていますが、わずか数百円では
1個の銀歯にかけられる時間はせいぜい10分程度しかないのです。
精密な詰め物やかぶせ物を銀歯で作ることは果たして現実的でしょうか・・・?
4.アレルギーの問題
特に銀歯は日本の保健診療の歴史的経緯を知ると唖然とします。
戦後のお金がなかった時に、やむを得ず安かろう悪かろうの銀歯を保険に取り入れておいて、
後でもっと人体に優しい金属を認可しよう、としていたようでした。
しかし、それがどういうわけか放置されたまま現在に至っているのです。
銀歯(金銀パラジウム合金)を使っているのは世界でも日本だけ、
つまりガラパゴス化している状況なのです。
質的にも褒められた成分ではない金属であるため、
歯医者さんとしても、健康志向がある方にとっても、迷惑なお話ですが・・・。
世田谷区・千歳烏山で歯を白くしたいという方は
こまい歯科までご連絡ください。
■ 他の記事を読む■