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歯医者さんも驚いた!歴史上の人物とその虫歯①

投稿日:2021年7月7日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol191)

 

今年のNHK大河ドラマは渋沢栄一ですね。

2024年度に1万円札の顔としても採用が決まっている偉人です。

 

ちょうどその大河ドラマで

先日まで第14代将軍・徳川家茂が出ていました。

 

実はこの徳川家茂公、虫歯のせいで寿命を縮めたと考えられるのです。

 

どういうことか?

 

徳川家茂は大の甘党だそうで、

ようかん、氷砂糖、金平糖、カステラ、おしるこなど

をよく食べていたとか。

徳川家の歴代将軍は貴族化が進んで、やわらかい食べ物ばかり食べていたそうです。

 

そのため、将軍のうち3代目以降で60歳と最も長命だった12代将軍・家慶の

歯ですら、摩耗がほとんどなかったようです。

 

要するに大して咀嚼しない食生活

徳川家の歴代将軍たちはしていたわけですが、

咀嚼しないと歯が汚れやすくなります。

 

現代人は汚れを落としやすい歯ブラシで磨いていますが(歯ブラシだけでは不十分ですが)、

江戸時代にそんな性能の良い歯ブラシはありませんでした。

 

その結果、家茂公は虫歯に侵されてしまった、ということです。

 

その数なんと、32本中、1本の親知らずが脱落して、

残り31本のうち30本が全て虫歯だったそうです。

家茂公は21歳という若さでこの世を去りましたが、そんな若さにして

30本も虫歯だったとは、さすがに酷い状態と言わざるを得ません。

 

徳川家茂の死因は急性心不全の説が最有力だそうです。

 

そしてその死因の直接の原因は脚気(ビタミンB1欠乏症)で、

まさしく衝心脚気(=心不全)そのものです。

 

ただ、さらに原因をたどれば、

虫歯がひどすぎて栄養がすっかり偏った食生活になっていた

であろうことは容易に想像できます。

 

当時「江戸患い」という言葉もありましたが、

これも白米ばかり食べる江戸人達特有の現象であり、

これもまた脚気そのものでした。

 

大河ドラマでも、平岡円四郎が一橋慶喜に白米をお椀に不作法に山盛りにするシーンが

ありましたが、当時の上流階級も当然ながら白米を食していたのです。

 

ひるがえって現代。

 

特にこのコロナ禍にあり、我々現代人も徳川家茂公を笑うことが

できるような良質な食生活を送れている方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?

 

家茂公のように、

糖質過多、たんぱく質不足、ビタミン不足は虫歯や歯周病の元ですし、

全身の健康にも良くありません。

 

スイーツ大好きな人達は要注意。

 

あと、意外なところでご年配で歯が良くない方々も要注意。

 

最近、スーパーで見かける年配の方々の中に、

やたら菓子パンやらお菓子ばかり買い物かごに

入れておられる方々が一定数いらっしゃることに気づきました。

 

こういった方々はビタミンB1不足に気をつけながら、

たんぱく質、ビタミン、ミネラル(特に亜鉛とマグネシウム)を多く摂取するとともに、

よく噛み、歯のお手入れもしっかりして、健康を損なわないように

気をつけていただけると良いのですが・・・。

 

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