歯医者さんが教える!根管治療におけるMTAセメントの効果①
投稿日:2022年9月30日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol402)
患者さんから、
「根管治療にMTAセメントを使うと良いと聞いた」
と言われることがあります。
中には
全部のケースでMTAセメントを使うと良い
と思っておられる患者さんもいらっしゃいます。
確かに、ごく一部ですが、
全部のケースにMTAセメントを使用されておられる先生も
いらっしゃいます。
しかし、やはり全部のケースでMTAセメントを使うには無理があるのです。
そもそもですが、
MTAセメントが最も効果を発揮するのは
歯根に開いてしまった穴を塞ぐケースです。
(本来MTAが開発され、使われ始めたきっかけの1つがこれです。
もう1つは逆根管充填用として。)
穴とは、専門的には
穿孔(パーフォレーション)、破壊された根尖孔(神経の出口)
のことを指します。
これらは通常の根管治療では治りが良くないため、
MTAセメントの出番
となるわけです。
ただし、MTAセメントを使えば何でも治るか?というと、
そう甘くはありません。
原則は歯の中に入り込んだ細菌をきっちり殺菌した上で、
MTAセメントを使うこと、
使ったMTAセメントを置いた後、固まるまで安定していること、
この2つの条件が大前提だということです。
もちろん100%除菌できるとは限らないですし、
そんなことは至難の業ですが
限りなく100%に近づける努力をすることがとても重要です。
そして条件がそろえば、
MTAセメントが歯を救ってくれる可能性を
期待することはできましょう。
実際、MTAセメントの登場により、
助かる歯がずいぶん増えたのも事実です。
しかし、何でもMTAセメントを使えば良い、というわけでは
ありません。
どんな材料にも利点もあれば欠点もあります。
要するに、
利点が欠点を上回らないと意味がないですよ、ということです。
言い換えると、
MTAセメントを使っても意味が出ないケースも当然ある、というわけです。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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