歯医者さんが教える!セラミックの種類の違い③
投稿日:2021年2月10日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol124)
今日はジルコニアについて解説します。
2.オールセラミック
(1)CADCAM
②ジルコニア
(1)ジルコニア+陶材焼き付け
3M社のLava、シュッツ社のタイザン、
ノリタケ社のカタナ、デンツプライ社のセルコンなど、
様々なメーカーが作っています。
【素材】二酸化ジルコニウム
別名、人工ダイヤモンドとも呼ばれており、非金属に分類されます。
【曲げ強度】1200~1400Mpa
割れたり壊れることは普通あり得ません。
【構造】
ジルコニアは非常に硬いため、かみ合わせの面に露出させることは極力避けます。
(ほとんどの場合は表面に露出しません)
また、色は白ですが透明感がありません。
だから、基本的にはジルコニアはフレーム(枠組み/土台)といって
かぶせ物の内面に強度向上のために使用されます。
そしてこのフレームであるジルコニアの上に
歯科技工士さんが陶材を盛り上げて焼き付けて作ることで
色も強度的問題も解決しています。
(当院だと、ジルコニアクラウンSクラス、SSクラスが該当)
【欠点】
①表面の焼き付けた陶材が欠けてくる可能性がある
②上下の歯のクリアランス(空間)がないと作成できない
といった欠点があります。
(2)フルジルコニア
【構造】詰め物・かぶせ物の中から外まで全てジルコニアでできています。
近年ではジルコニアにも様々な種類が登場しています。
それがATDジャパン社から発売されたTANAKAマルチ5です。
従来のジルコニアは色も強度も全面的に同じでしたが、
TANAKAマルチ5は5層に分かれて色合いが大幅に改善し、
【曲げ強度】かみ合わせの面が曲げ強度600Mpaとずいぶん歯にやさしくなりました。
その下は800Mpa、1000Mpaというように順に強い層になっています。
【欠点】
曲げ強度600Mpaの層の次は800Mpaの層になります。
後日ご紹介するemaxは400Mpa程度、天然の歯のエナメル質が350Mpa
ですので、やはり少々硬すぎる点が気になります。
また、色合いも改善されたとは言え、場合によっては色が十分に合わない確率も
それなりにある点もまだ難点ではあります。
(複数の歯を治す場合には色を合わせやすくなりますが)
【長所】
①割れることはほぼない
②価格が他のセラミックよりも安い
製作作業の大半をCADCAMにすることで製作コストを
大幅に抑えられた点はメリットでしょう。
(当院だとフルジルコニアインレー、フルジルコニアクラウンが該当)
世田谷区・千歳烏山でセラミック治療をご希望の方は
こまい歯科までご連絡ください。
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