歯医者さんが教える!抗生物質(抗生剤)の使い方と注意点①
投稿日:2021年12月20日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol268)
痛くなった、腫れた、という時にお薬が欲しい、という人は
とても多いと思います。
ただ、だからと言って短絡的に抗生物質を飲むのはやめて下さいね。
何が原因で痛いのか?腫れているのか?を突き止めないと、
抗生物質を飲んでも意味がないどころか害にしかならないケースも
よくあるからです。
最たるものが歯髄炎と呼ばれる状態です。
これは歯の神経に炎症が起きて、重症度に比例して痛みがでやすいです。
しかし、この歯髄炎が原因で歯が痛い時には抗生物質は全く効きません。
なぜなら、歯髄と呼ばれる場所は、歯の中にあります。
神経もありますが、血管もあります。
そしてこの血管がとても細いため、血液の流れも少ないのです。
そのため、抗生物質もなかなか必要量が届いてくれません。
一方、耐性菌という問題があります。
抗生物質の位置づけは、そもそもが切り札です。
日常的に抗生物質を使い続けるとどうなるか?
耐性菌が出現してしまいます。
要するに、抗生物質が効くと思っていたら、
いつの間にかその抗生物質において
その人にとっては効かない種類の細菌(=耐性菌)が登場し、
殺菌したくても殺菌できない
という事態に陥りかねないのです。
欧米諸国ではこのことが問題視され、安易に抗生物質を処方してもらうことができません。
しかし残念なことに日本は薬大好きなお国柄であります。
日本における抗生物質の使用はインド、中国に次いで世界第3位
とも言われていて、スーパー耐性菌も存在するそうです。
風邪なのに抗生物質を飲んでいる人も見かけますが、
風邪の大半はウイルスが原因ですから
2次感染予防や気管支炎・肺炎などの治療でもない限りは
抗生物質は全くの無意味です。
この辺からも安易に抗生物質が使われていることが想像つきます。
将来、命に関わるような状況に陥った時、本当に困るのは患者である皆さんご自身です。
安易に抗生物質を飲むのではなく、
必要な時に必要な分(指示された量)だけ飲む、
ということをよく覚えておきましょう。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
■ 他の記事を読む■