歯医者さんが教える!ハイブリッドセラミックスとセラミックスの違い②
投稿日:2022年3月7日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol302)
前回の続きです。
「セラミック」の定義ですが、広義では
「無機材料の中で金属以外の材料をセラミックスと言う」
となっています。
そのため、シリカもセラミックスと言えます。
ハイブリッドセラミックスはレジンにセラミックスを混ぜたものであることから
「ハイブリッド(hybrid)」=異種のものの組み合わせにより生み出された物
ということで、このような名称になったわけです。
そして、ハイブリッドセラミックスの場合、
このフィラーの割合を90%近くに高めることで
耐久性を高めることが可能となりました。
しかしながら、このフィラーの割合が90%近いことが
一部の専門家にすら誤解を生じさせているようです。
確かにセラミックが90%入っているとは言えます。
しかし、だからといって純粋なセラミックとは出来方が異なります。
例えるならば、カレーのルーと具の関係でしょう。
カレールーがレジン、具がフィラーと言えますが、
普通のカレールーと具の割合が通常のレジンならば、
ハイブリッドレジンは通常のルーと具の割合を逆にした具沢山のカレー
となります。
一方、
セラミックスの場合はカレールーと具を混ぜた状態で
高温処理し、完全に溶かして一体化させたガラスみたいな結晶にしたものです。
ということで、
ハイブリッドセラミックスは具沢山のカレー、
セラミックスはガラスみたいな結晶、
ということで、似て非なる別物だ、ということです。
カレーはどんなに背伸びしてもガラスにはなれません。
事実、ハイブリッドセラミックスはセラミックスに比べると
かなり軟らかく、削れやすいです。
ハイブリッドセラミッククラウンというかぶせ物がありますが、
数年使用していると、ハイブリッド部分が削れて、ひどい場合には下地である金属が
見えてくることすらあります。
また、ハイブリッドセラミックスは変色しやすい、
お口の中の細菌(プラーク)がたまりやすい、
臭いが付きやすい、
といった欠点もあります。
他にも、インレー(詰め物)を歯に装着して力学的に解析したとき、
ハイブリッドセラミックスインレーは歯を補強する効果がないが、
セラミックスインレーは歯を補強する効果がある、
といった大きな違いもあります。
これらの特性を鑑みれば、ハイブリッドセラミックスはレジンそのものです。
すなわち、
ハイブリッドセラミックスはセラミックスとは全く異なるものなのです。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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