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根管治療をしたからもう大丈夫?

投稿日:2024年3月1日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol608

 

「根管治療をしたから、もうこの歯は大丈夫」​

そう考える患者さんはとても多いのではないでしょうか?

 

治療する側の歯医者さんもそう言いたいものです。

 

しかし、残念ながら「もう大丈夫」と言い切ることはできません。

 

確率論で言えば、

*肉眼で根管治療を行った場合は30~40%

*精密根管治療の場合、

初めて歯の神経を取る場合で90~95%

感染根管治療(既に歯の神経を取ってある歯)の場合で80~85%

 

の確率で治療が成功する、というのが一般的だからです。

 

ではうまくいかないその原因は何なのか?

1.治療を途中で中断してしまって歯が再感染してしまった

2.歯の内部の感染が取り切れなかった(解剖学的な問題、治療法の問題、時間経過の問題)

3.歯の破折

4.歯の詰め物、かぶせ物が取れた、虫歯が再発した

といったあたりの理由がほとんどです。

1.はいろんな理由で通院を中断してしまうことがあるかと思います。

嘆いても仕方ないので、まずはもう一度歯医者さんに行きましょう。

 

2.は、歯の内部の構造が複雑であるとか、

肉眼治療の場合はそもそもの限界(要するに見えない状態での治療であること)がかなりあること、

(精密根管治療であっても構造が複雑だとやはり限界があります)

虫歯が発生したり悪くなってから時間があまりに経ちすぎたがゆえに

病原菌が歯の奥深くまで浸透して殺菌しきれない、など。

▲上の図の青い部分は器具を通しやすいが、赤い部分は肉眼ではまず治療不可能

精密根管治療ではかなり見落としを減らせるがそれでもやっかいである

 

3.はたとえ根管治療がうまくいっても歯自体の寿命で歯そのものが折れてしまうこと。

 

4.歯の詰め物、かぶせ物が取れたり虫歯が再発したりすることで

歯の内部に再感染が起きてしまうこと。

 

 

ということで、

根管治療をしたから大丈夫、というのではなくて

根管治療をしたことで歯の寿命をどれだけ延ばせるか?

と考える方が現実的なのです。

 

 

 

 

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