歯を長持ちさせる治療③
投稿日:2020年1月27日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol11)
前回24日に続いてマニアックなお話 第3弾 です。
引き続き、わからない単語が出てきましたら
飛ばしていただいて大丈夫です。
今日は、歯科技工士さんの視点から見たときにわかる技術の差について です。
さて、先日は歯の形を成形する際、
ナイフエッジマージンだと金属の厚みも薄く、脆弱である、
と述べました。
まして、不必要に削らなさすぎる歯の模型を
歯科技工士さん達はみな嫌がります。
不必要なまでに削らなさすぎると、まず模型の製作でつまづきます。
それをクリアしてもワックスアップが面倒。
極薄のワックス(ロウ)で精密に作れ!と
言っているようなもので、無理難題もいいところです。
ワックスはやわらかく、ちょっとでも触ったら崩れますから、
技工士さんがイライラするのはみなさんも容易に想像できませんか?
ただし、逆に分厚いほうが良いのか?というと、それもだめなのです。
分厚過ぎると、今度は鋳造欠陥を招きます。
この鋳造欠陥で多いのは、型に流し込んだ金属の一部に
巣(要するに空洞)ができやすい現象だそうです。
ちなみにこの「型」は技工士さんが苦労して作ったワックスを
埋没材で周囲を固めたものです。
この型部分に高温の金属を流し込むわけですが、
型が極薄だと本当に金属が入り込むのかどうか・・・?
想像しただけでも不安でドキドキしませんか?
歯科技工士さんはこれで失敗したらまたやり直しなのです。
とても繊細かつストレスフルな作業です。
製作サイド(歯科技工士さん)から見ると、
かぶせ物は必要以上に薄すぎず、厚すぎず、が大切
だということです。
ということは歯科医師サイドから見ると、
かぶせ物は
歯を削りすぎはダメだが、削らなさすぎも問題になる
のです。
だから原則は基本に忠実に。
私はいつもこれを意識し、トレーニングを積んできました。
そして、このような精密で繊細な作業をしてくださる歯科技工士の皆様には
いつも感謝と敬意の気持ちを持っております。
今日はマニアックなお話でしたが、いかがでしたでしょうか?
をお探しの方はぜひこまい歯科にご相談ください。
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