歯医者さんが考えるマウスピース矯正の問題点②
投稿日:2022年9月29日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol401)
マウスピース矯正では原則として奥歯は動かさない前提で
治療を進めます。
ところが、近年では歯を抜いて行うケースも散見されるようになりました。
(本当はマウスピース矯正の治療対象外ですが・・・)
米国の会社のセールスの影響が色濃いのかもしれません。
ただ、なぜ米国の会社は平気で抜歯しても治せる、と言うのか?というと、
その答えのヒントに人種の違いがあるのです。
米国は白人が62.4%と最も多く、ついでヒスパニックが17.4%、黒人12.4%
となっています。
このうち、白人と黒人は一般に歯が
とても長い傾向があることが知られています。
すなわち、米国は歯根の長い人種が75%近くもいる国なのです。
かたや日本人は一般に歯が短いため、米国とは真逆です。
歯が長いということは、歯が動きにくいとも言えます。
特に大臼歯と言われる奥歯は、です。
つまり、米国のマウスピース矯正システムでは、
奥歯は原則動かない、ということを前提に、
奥歯を固定源としてそれより前方の歯を動かす、というわけです。
この違いを考慮せず、米国のシステムで歯を動かそうとするわけですから
うまくいかないケースが続出するのは当然でしょう。
もちろん日本人の中にも、歯が長い方はいらっしゃいます。
歯が動きやすい、動きにくい、の違いを歯の長さだけで片づけることも当然できませんが
1つのファクターとして歯の長さには注意が必要であります。
現状のコンピューターによる矯正システムでは、
残念ながらその辺の要素も考慮した
プログラムや解析はできていないのですから・・・。
歯は並んだ、でも噛めない、ではきっと後悔するでしょう。
向き、不向きをよく判定した上で、正しい種類の歯列矯正治療法を
選択するようにしてくださいね。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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