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歯医者さんが教える!マイクロスコープを使うとどう違うのか?③

投稿日:2021年1月28日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol118)

 

マイクロスコープを使うとどう違うのか?は治療成績にも出ています。

 

2005年、東京医科歯科大学歯学部歯内療法学講座の

須田英明 前教授が中心に調査を行ったところ、

肉眼での根管治療はおおむね30%程度の治療成績だったそうです。

 

一方、マイクロスコープを使った根管治療は

はじめて神経を取る処置で90%程度

既に根管治療がされている歯で80%程度

の治療成績が数多く報告されています。

 

なぜこのような違いが出るのか?

 

1.直接、歯の内部を見ているか見ていないか?

2.使用器具・材料の違い

3.かける労力の違い

の3つが考えられます。

 

1.直接、歯の内部を見ているか見ていないか?

は一番わかりやすいですね。

 

肉眼だと、2センチにも満たない歯の内部はほぼ見えません。

見えないのだから、どこがどう汚れているか?なんてわかるわけないのです。

 

もちろん大学では歯の解剖をさんざん習いますし、治療のやり方も習います。

 

しかし、これではどんなに経験を積んだところで結局目隠しして掃除しているのと同じです。

 

それがマイクロスコープだと歯の内部がよく見えるわけですから、

汚れを直接見て清掃することが可能なわけです。

 

2.使用器具・材料の違いもありますね。

肉眼では怖くて使えないような繊細な器具がありますが、そういう繊細な器具こそ

歯の細かい部分に到達させたり、歯の形に沿って負担がかかりづらかったりします。

 

また、MTAセメントは保険診療では認められていませんので使いたくても使えないわけです。

(ただ、肉眼での根管治療にMTAセメントを使うのは絶対止めたほうが良いと思いますが)

 

3.かける労力の違いも当然あります。

日本だと、多くの歯科医院は1回の根管治療に10~15分程度しか確保できません。

治療費を見ればすぐわかりますが、最初は2~3千円程度なのが、2回目以降は

500円もかからないわけです。(保険診療では根管治療自体が完全な赤字です・・・)

 

一方、米国は世界一高くて、根管1本あたり5~10万円かかります。

奥歯だと3~4根管ありますから、根管治療だけで20~50万円だそうです。

 

アジアでも、たとえばフィリピンでも肉眼治療なのに根管治療だけで5万円かかります。

(いつの間にか日本の根管治療は最安値圏に・・・?)

 

それだけ費用を投入すれば当然その歯にかけられる労力も増えるわけですから・・・。

 

しかし、治療方法を選ぶのは患者さんご自身ですし、人それぞれ事情が違います。

良い点、悪い点を理解された上で治療方法を選ばれることを切に望んでおりますので

遠慮なくご相談ください。

 

世田谷区・千歳烏山でマイクロスコープによる歯の神経の治療

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