歯医者さんが教える!アライナー矯正でできること・できないこと
投稿日:2022年5月12日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol332)
私自身、矯正治療の経験は17年にわたりますが、
マウスピース矯正の広告がここまで急激に増えてきたのは初めてです。
同時に、一方で患者さんの誤解も増えてきているように感じます。
特にマウスピース矯正でできないことなはずなのに
マウスピース矯正で治そうとしてしまっているケース
が増えていることに対して、歯科業界でも危惧の声が
出ています。
矯正歯科学会が出している指針では、
【推奨される症例】
1) 非抜歯症例で、以下の要件を満たす症例
・軽度の空隙を有する症例
・軽度の叢生で歯列の拡大により咬合の改善が見込まれる症例
・大きな歯の移動を伴わない症例
2) 矯正治療終了後の後戻りの改善症例
3) 抜歯症例であっても歯の移動量が少なく、かつ傾斜移動のみで改善が見込まれる症例
4) 金属アレルギーを有する症例
【推奨されない症例】
1) 抜歯症例
・犬歯が遠心傾斜している症例
・前歯部が大きく舌側傾斜している症例
・歯の大きな移動を必要とする症例
・大きな回転、圧下・挺出を必要とする症例
・患者の協力度が低い症例
2) 乳歯列期、混合歯列期で顎骨の成長発育や歯の萌出の正確な予測が困難な症例
3) 骨格性の不正を有する症例
実際、他の医院で抜歯症例、重度の叢生を
マウスピースで治療した患者さんが相談にいらっしゃいましたが、
残念ながらかみ合わなくなっている方が複数いらっしゃいました・・・。
何でもかんでもマウスピース矯正で治せるほど甘くはありません。
私自身はワイヤー矯正を受けた経験があるので、
マウスピース矯正だけで治したいという
患者さんのお気持ちは痛いほどわかります。
でも、診断を誤ればまずいことになるのです。
診断は歯医者さんにしかできません。
コンピューターにはできません。
確かにAIはすごい勢いで発展はしています。
もちろん歯科においてもAIは研究されてはいます。
しかし、まだまだAIが正確な診断を出せるほどには至っていませんし、
AIの使い方はそもそもAIに頼るものではなく
AIが得意な部分には頼りつつも
あくまで人間がそれを元に判断するものでもあります。
マウスピースは魔法ではないのです。
世田谷区・千歳烏山でマウスピース矯正・ワイヤー矯正をする歯科
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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