歯医者さんが教える!根尖性歯周炎に抗生剤は効くのか?
投稿日:2024年7月11日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol670)
根尖性歯周炎という病気があります。
歯医者さんに行くと、
「根の先に黒い影が映っていますね。膿みがたまっている状態です」
「根の先に病巣がありますよ」
などと言われることがあるかもしれませんが、それが根尖性歯周炎です。
この根尖性歯周炎、多くの場合は慢性で経過しますので
実は痛くもかゆくもないことがほとんどなのです。
しかし、中には慢性ではあるけれど炎症の範囲が広くなってきたり、
慢性炎症ではあるけどやや強めの炎症状態になってきたりしたために、
痛みが少しある、違和感が出てきた、
とお感じになる患者さんもいらっしゃるでしょう。
そういう時に、
「抗生剤を飲めば治るんですよね?」
と聞かれることがありますが、
抗生剤では根尖性歯周炎は治りません。
では、根尖性歯周炎で抗生剤を出すことがあるのはなぜか?というと、
①痛み、腫れがひどいから
②痛み、腫れがこれからひどくなることが十分予見されるか
この2つの理由だけです。
歯医者さんは根尖性歯周炎を完治させるために抗生剤を出すことは一切ないのです。
根尖性歯周炎の大元の原因は根管と呼ばれる歯の神経があった部分において
細菌が増殖し、それが歯根の尖端から出てくるから炎症が起きるのが大筋です。
抗生剤は、歯の内部から火山の溶岩のごとく出てきた細菌たちを叩くだけで、
歯の内部の本当の細菌の巣には攻撃できません。
これが抗生剤が根尖性歯周炎を完治できない理由です。
延々と抗生剤を飲み続けるということは、自分の胃腸の善玉菌たちを犠牲にして
免疫力を悪化させるだけになる危険性すら出てきます。
なので、抗生剤は根尖性歯周炎においては短期勝負での使用であり一時しのぎにすぎない、
ということを知っておきましょう。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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