歯医者さんが教える!歯を抜くのが大変な意外なケースとは?②
投稿日:2021年12月10日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol263)
みなさんが親知らず以外で大変な抜歯として意外だと感じるであろうケースは
主に次のものです。
・長らく異常を放置していた歯(虫歯、歯根破折、あるいは※違和感がある場合)
(※歯の神経が無くてずっと違和感が続いていた歯)
・レントゲン上で根尖病巣がある歯(違和感がない場合がほとんど)
・歯に太い土台が入っていて歯自体が薄くなっている(違和感がない場合がほとんど)
患者さんは痛いか痛くないか?腫れているか腫れていないか?だけで
物事を判断されることがほとんどです。
一方、こういう難しい状態になっている歯って、案外痛くないことも
よくあるものなのです。
なぜそんなに状態が悪いのに痛くないか?というと、
それは慢性炎症の状態だからです。
痛みが出る時はだいたい急性炎症であることが多いものです。
しかし慢性炎症は1日や2日で悪くなったわけではありません。
数週間、数か月、下手すると数年、ということも人間の身体ではよくあることなのです。
そして、歯を抜くのが大変になってしまう多くの場合が
慢性硬化性骨炎
と呼ばれる状態です。
この慢性硬化性骨炎というのは、お口の中から歯に細菌が侵入して、さらに歯の外に
細菌が広がり始めた際に、それ以上細菌が周囲に飛び散らないように
身体が歯の周囲の骨を硬くして防御しよう、としている反応そのものです。
一方、顎の骨というのはある程度軟らかいのが通常です。
歯を抜くとき、歯医者さん達は歯を揺らして抜きますが、顎の骨が広がって歯が抜けます。
しかし、この慢性硬化性骨炎では顎の骨の柔軟性が全くと言っていいほど失われてしまっており、
歯を抜こうとしても、顎の骨が広がらない。
加えて、だいたいそういう歯は歯自体がボロボロになっているものだから
力を欠けると歯が粉々に砕けて、つかみどころがなかなか得られない、という悲劇が起きるのです。
そういうわけで、こういう歯を抜くときには実は難易度が非常に高く、
1時間や2時間かかってしまったとしても、実は不思議なことではないのです。
でも、患者さんからしたら、1時間や2時間も歯を抜くのに時間をかけられるのは
嫌なものですよね。
これを避けるには、
悪い歯はなるべく早い段階で抜歯しておくのが良い、
ということになるのですが・・・。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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