銀歯がアレルギーを誘導するメカニズム解明
投稿日:2022年2月14日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol292)
先日、次のようなニュースが流れました。
「大学ジャーナルONLINE」より引用開始********************
東北大学と札幌医科大学の研究グループは、歯科治療に用いられるパラジウムによる金属アレルギー誘導機構を明らかにした。
金銀パラジウム合金は保険診療での歯科金属材料として、銀歯の治療など歯科治療で広く用いられている一方で、パラジウムが金属アレルギーを引き起こす一因となることが問題となっている。酸性の食物や口内に残った食べ物の分解、口腔細菌の代謝産物によって溶け出したパラジウムが、抗原提示に何らかの影響を与え、T細胞を活性化させると金属アレルギーを発症すると考えられているが、金属によるT細胞活性化のしくみは不明だった。
本研究では、抗原提示細胞のひとつである樹状細胞株にパラジウム溶液を添加すると、免疫反応を引き起こすMHC(主要組織適合性遺伝子複合体)クラスIが一時的に細胞内に取り込まれ、その後、細胞表面に再出現することを見出した。このとき、細胞内在化に伴い、MHCクラスI上に提示される抗原ペプチドが置き換わり、アレルギー抗原となることがわかったという。抗原ペプチド置換により発現したアレルギー抗原は、T細胞の活性化を誘導し、パラジウムアレルギーの発症につながるとみられる。
この発見から、パラジウムが引き起こすMHCクラスIの内在化を阻害すると、T細胞の活性化を抑制できることもわかった。抗原ペプチドの置換を防ぐこと、アレルギーの原因となる抗原ペプチドを特定することなども、歯科金属アレルギーの新しい予防・治療法の開発につながることが期待される。
***********************引用終了
銀歯は日本でしか使われていない金属ですが、なぜ身体に悪いのか?
その詳しいメカニズムが科学的にもわかってきました。
海外でも国によってさまざまな金属を使う国もありますが、
本来は、お口の中に金属を入れるなら使われるべきは
詰め物やかぶせ物なら金合金や白金加金のみ、インプラントならチタン、
というのが本家本元です。
金属アレルギーが心配な方は担当の先生にご相談されると良いでしょう。
世田谷区・千歳烏山で金属アレルギーについて相談できる歯医者を
お探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
■ 他の記事を読む■