歯医者さんが教える!マイクロスコープを使うとどう違うのか?①
投稿日:2021年1月25日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol116)
私自身、マイクロスコープの使用歴は10年を超えました。
それ以前は肉眼ないしはルーぺ(拡大鏡)だけで診療していました。
ではなぜマイクロスコープを始めたか?
そもそものきっかけは、
根管治療(歯の神経の治療)をしていて、
肉眼だとどうしても歯の内部がほとんど見えないことから
限界を感じていたことです。
たとえば歯の内部に異常があるとわかっても、
実際にどうなっているのか?も見えないので
なぜ治らないのか?が肉眼での根管治療だとわからないわけです。
はっきり言えば肉眼での根管治療は「手探り」で治療していると言えましょう。
そこで、2010年夏頃、マイクロスコープを使った根管治療専門医として
日本では草分けにして大御所の辻本恭久先生の門を叩こうと決めました。
これが私の臨床を大きく変えた分岐点の1つでした。
それまでは肉眼かルーペでしか根管治療ができなかったわけですが、
マイクロスコープを使うことで、歯の内部がはっきり見えるではありませんか。
歯がまっすぐなケースだと歯根の尖端まで全部見えるケースもあるわけです。
ただ、辻本先生に初めてマイクロスコープ根管治療を教わったその日は、
マイクロスコープでの治療方法云々以前に、
まずマイクロスコープを歯の見たいところに素早く正確に合わせる、という動作自体も
初めてだったため、とても苦労した記憶があります。
実際に患者さんを治療する際、患者さんの中には
顔を上下左右に動かす方がけっこういらっしゃいます。
マイクロスコープは10倍、20倍という拡大した世界ですから、
患者さんのちょっとした動きですぐ治療している術野が
視界からずれたり、ひどいと消えてしまいます。
今でこそ、そういう変則的な動きにもすぐ対応できる実力をつけていますが、
マイクロスコープは相当の修練と経験を積まないと難しいな、と思います。
また診療環境も重要です。
マイクロスコープ根管治療の治療時間となると、最低1時間は必要です。
当院では1時間から1時間半がほとんどです。
しかし、こういう治療時間をまとめて取れる診療環境を整えること自体も
容易ではないのです。
つまり、どの歯医者さんでもすぐできる治療ではない、ということでもあるのです。
世田谷区・千歳烏山でマイクロスコープ精密治療をご希望の方は
こまい歯科までご連絡ください。
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