歯医者さんでまとめて治療できないか?④
投稿日:2021年11月25日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol255)
歯医者さんでまとめて治療することは可能でも、
問題を起こす可能性が高いケースに、
審美治療があります。
たとえばです。
これは、歯肉を傷つけないよう圧排糸を入れた状態にして
歯を形成したところです。
その後、仮歯を装着します。
通常、私は仮歯を入れて最低1週間待ってから
歯型を採っています。
しかし、
「急いで治療を進めて欲しい」「早くして」
という患者さんの要望が強い場合、
仕方なく歯型を採る場合もごくごく稀にあります。
ただし、その場合には問題が起きやすいので患者さんに
了承を得てからでないと、歯型を採らないことにしています。
なぜなら、歯を削ったライン(マージン)と歯肉の位置関係が
予想しない範囲で変化した場合に起きやすいからです。
具体的には最終的なかぶせ物(いわゆる本歯)を入れた時に、
歯と歯肉の境目の継ぎ目が見えてしまう可能性です。
もしこれが起きてしまうと、かぶせ物を入れても
綺麗な仕上がりにはなりません。
その結果、やり直しになることもあるのです。
これだと何のために急いだのかわからなくなりますよね?
だから綺麗に仕上げようと思うのであれば、歯肉の成熟を待つ
という時間が審美治療には必要となるのです。
こういう時間が必要な部分はさすがにショートカットできないので
もしショートカットをご希望の場合は、患者さんご自身がリスクを受け入れる覚悟が
必要となりましょう。
歯を歯肉の下深くまで削ってしまえば、
その時は患者さんからすれば問題なく見えてしまうでしょう。
しかし、生物学的幅径というバリアを壊した治療になってしまいます。
こういう場合は、かぶせてその時はきれいになるけれど、中長期的には
ずーーっとかぶせ物周囲の歯肉が腫れたままになってしまう、
というトラブルが起きやすくなるのです。
世田谷区・千歳烏山で歯の審美治療を受けたい方は
こまい歯科までご相談ください。
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