歯医者さんで入れるセラミックはこうして作られる④
投稿日:2020年11月16日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol86)
今日はいよいよセラミック完成までの工程を見ていただきます。
いつもの凄腕技工士・西和田氏にまた解説をお願いしました。
※専門的な解説なので少々難しいですが、
その場合は色付きの部分だけでも
流し読みしていただけると理解しやすいかと思います。
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歯冠色陶材ですが、
本ケースでは強度重視で切端までフレームを伸ばしています。
そのために基本のデンティン・エナメルの2色築盛法では
切端付近の透明感が失われてしまいます。
そこでジルコニアフレームを象牙質と見立てて
内部にブルーグレー系統の着色をすることで透明感を表現し、
その上に歯冠色セラミックを重ねていきます。
ノリタケ陶材を使用したインターナルライブステインテクニック
という手法なのです。
これは昔師匠から教わったもので、
複雑な色調を再現したり、セラミックの築盛スペースが少ない場合など、
活用するケースは多々あります。
内部ステイン2色
→ベース陶材(サービカル・デンティン・エナメル)3色
→内部ステイン3色
→ラスター陶材(表面の透明感を再現する陶材)2色
といった感じで
微調整しながらセラミックと着色(=ステイン)を交互に積層していくような手法です。
使用したセラミックは、トータルでセラミック5色、内部ステイン5色となります。
写真ではなかなか透明感は伝わりにくいのですが、
フレームの不透明感を消して擬似的ではありますが
自然に見える透明感を造り出すには上記のような細かな色調整を行います。
強度と透明感というのは物理的に相反するもので、
両立させるにはケースバイケースでやはり判断や技術が必要
となります。
CADCAM時代となりつつあるとはいえ
技工士にとっては昔からの永遠のテーマですね。
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西和田さん、ありがとうございました。
皆さん、いかがでしたでしょうか?
色1つとっても、さまざまなテクニックを駆使して調合されているんですね。
すべて手作業ですからまさに熟練の技です。
こればかりはさすがにコンピューターではまだまだ実現できない芸術の域ですね。
こまい歯科までご連絡ください。
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