歯医者さんが教える!MTAセメントによる根管充填の利点と欠点
投稿日:2024年10月30日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol710)
患者さんから
「MTAセメントによる根管充填が一番良いんでしょ?」
と聞かれることがあります。
これ、実は必ずしもそうではありません。
MTAセメントは確かに良い材料だと思います。
・密閉性がとても高い
・殺菌性がある
・体にもなじみやすい
という利点があります。
しかし、一方で次の欠点もあるのです。
・充填するのが難しい
・いったん充填すると撤去するのが大変
・ある程度の厚みがなければ効果が発揮されない
特にこれらの欠点は、歯が曲がっている場合に大きな欠点となりうるのです。
MTAセメントを使うのは、
歯の中がきれいに清掃・消毒できた
という大前提があります。
その上で、
・歯根の先が壊れてしまっている
・歯根の真ん中あたりで穴があいてしまっている
といった場合にMTAセメントを使ってあげるのが良いのです。
特に初めて歯の神経を取るケースで、上記に当てはまらない場合には
MTAセメントの使用は全く推奨されていません。
これは全世界共通です。
やはり、MTAセメントならではの欠点が大きく、利点を上回らないから
ではないか?と考えられます。
初めて歯の神経を取るケースにおいては、MTAセメントを使おうと使うまいと
治療成績も大して変わらないのですから、リスクを冒す意味がないと考えます。
ちなみにMTAを使ったシーラーもありますが、これも残念ながら治療成績の向上には
つながっていない、という愕然とした事実があります。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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