歯医者さんが教える!歯周病って痛くなければ治療しなくていいの?②
投稿日:2022年5月6日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol329)
歯周病は、以前は歯槽膿漏と呼ばれていました。
進行すると歯茎から膿が出る様子から名づけられたのです。
しかし、歯周病の本当の恐ろしさはそんなところにはありません。
(私はもし自分の歯茎から膿が出る、というならそれだけで恐怖ですが・・・)
まずは放置すると歯が抜けることでしょう。
もちろん、今すぐに抜けるわけではありません。
通常のパターンなら50歳過ぎからどんどん歯が抜け始めていきます。
若年性、あるいは侵襲性と呼ばれるタイプだと、20代前半から歯が抜け始める場合もあります。
やっかいなのは、一度歯周病で失われた歯肉と顎の骨は、基本的には再生しないことです。
歯周病治療を行い、しかもある条件を満たした恵まれた場合には、
部分的に顎の骨が再生することはありますが・・・。
そして一番怖いのは、
歯周病があると全身病を発病するリスクが2~7倍に高まることです。
歯周病との関連では、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞が特に有名です。
また、いざとなった時にも歯周病があると命に係わってきます。
先日も心臓手術を受けた患者さんが、担当外科医から歯の清掃をしておくように
と念を押された、というケースがありました。
歯周病菌は、歯磨きするだけであっという間に全身の血管に回ります。
実はこれは生きている人全員に起こるのです。
歯周病がひどい人は、なんと食事するだけでそれが起きます。
歯が食事で振動することにより、歯肉から歯周病菌がポンプ作用で血管に
押し出されるからなのだそうです。
一方で、歯周病は一発全治!ということはなかなかありません。
慢性病ですから、治るまで時間がかかってしまいます。
普段からコツコツとメインテナンスをしているかどうか?
自宅ではセルフケアを、歯医者さんには定期的に歯石を取りに行っているか?
そこが分かれ道なのです。
たったそれだけ、されど
この分かれ道が時として命の分かれ道に変わることもあるのですから、
痛くないから歯周病ではない、と決め込むのは
なかなかのリスクを抱え込むことになってしまいそうです。
世田谷区・千歳烏山で歯周病ケア・歯周病治療に力を入れている歯科
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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