歯医者さんが教える!保険診療で使われる白い詰め物の利点と欠点
投稿日:2023年3月10日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol478)
保険診療で使われる白い詰め物があります。
それは通称「レジン」と呼ばれるもので、
プラスチックのような樹脂でできた材質です。
始まりは1965年。
虫歯につめる材料として歯の色に近い材料(コンポジットレジン)
が出現したところからです。
1977年、日本のメーカーから歯のエナメル質・象牙質の両方に接着する
コンポジットレジンが登場。
以後、改良が重ねられ、その性能はずいぶん向上しました。
どういう場合に最適なのか?というと、主に
「小さい虫歯」「小さい穴」「歯が少し欠けた部分」
といったケースです。
ただ、近年では大きな虫歯に対しても無理矢理使用されるケースも増えています。
なぜ大きな虫歯にはレジンが向かないか?というと、レジンそのものの性質が理由です。
レジンは紫外線を照射して固めますが、その際にレジン自体が重合収縮と言って
縮みます。
小さい穴を詰める分には、この収縮量は大したことはないかもしれません。
(専門的にはホワイトマージンとか、周囲のエナメル質に亀裂が入る、といった問題も
指摘されていますが、これ以上は専門的すぎるので割愛します)
また、レジンが大きいと、歯の強度を回復・向上させる効果が無くなります。
これは物理学的な解析で明らかになっています。
そして、虫歯の再発にはめっぽう弱い、という点もあります。
レジンはとにかく接着をいかにしっかり行えるか?が大きな鍵となりますが、
この接着操作自体も掘り下げると非常に奥が深いものがあります。
実際の治療においても、たくさんのポイントをクリアしていかないと
ちゃんと接着してくれない可能性が出てしまいます。
また、レジンは吸水性があるため変色しやすいのも特徴です。
良い点は何と言っても色が白くて比較的きれいですし、その場で治ること、
歯を削る量を減らすことができる、といった点でしょう。
何でもそうですが、良い点と悪い点があるので、レジン一本やりというわけにもいかない
ということも知っておきましょう。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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