歯医者さんが教える歯みがきの本当のタイミング①
投稿日:2020年9月11日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol66)
患者さんからよく受ける質問の1つです。
「食後にすぐ歯を磨くと(歯が削れるから)良くない、
って聞いたんですけど、
だったらいつ磨いたらいいですか?」
これはとある論文、そしてステファンカーブに基づいてテレビや雑誌で言われていることですが、
実はデマです。
まずステファンカーブって何?
ということで、それが下の図。
これは、歯の表面に付着している細菌の巣(プラーク)における酸性度を
示しています。
そして下に行くほど酸性になります。横軸が時間軸です。
平時において、虫歯菌のいる歯の表面は酸性度がpH=7付近。
要するに中性です。
食事をすると食べ物の中に糖分があれば、虫歯菌はその糖分を取り込んで酸を出します。
すると、虫歯菌の周囲は酸性になります(たとえばpH=4とか)。
このとき歯からミネラル分が溶けだしていきます。(=脱灰)
この溶けだす時間が続くと虫歯になるというわけです。
食事が終わると、2時間くらいかけて唾液の作用でゆっくりゆっくり中性に向かいます。
この過程で、唾液中のミネラル分が歯の中に入り込んで補修します。(=再石灰化)
食後すぐに歯磨きをしてしまうのはだめ!という
TVや雑誌などのメディアの主張は
歯みがきしてしまうと
この再石灰化する前の状態の歯が削れてしまうからだ
というロジックなのです。
しかし、
そもそもこの見解が生まれた経緯は
「酸蝕症」の実験論文であって虫歯ではないのです。
一旦結論を先に述べます。
「食後にすぐ歯を磨くと(歯が削れるから)良くない」
はデマです。
食後にすぐ歯を磨いても構いません。
歯が削れる心配も無用です。
続きは次回をお楽しみに。
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