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歯医者さんが教える!セラミックの種類の違い①

投稿日:2021年2月5日

カテゴリ:ドクターズブログ

こまい歯科の小泉です。(vol122)

 

今日から何回かに分けてセラミックの種類を解説していきます。

大雑把に分けるとこんな感じです。

1.メタルボンド(メタルセラミック)

2.オールセラミック

(1)CADCAM

 ①長石系セラミックブロック削り出し(例:セレック)

 ②ジルコニア

  1)ジルコニアフレーム+陶材焼き付け

  2)フルジルコニア

(2)キャスタブル(emaxプレスなど)

(3)陶材(築盛)

3.ハイブリッドセラミック

 

1つずつ解説していきますね。

 

1.メタルボンド(メタルセラミック)

【構造】金属のフレームにセラミック(歯科用陶材)を焼き付けて作ります。

【素材】セミプレシャスメタル(準貴金属)/ハイプレシャスメタル(貴金属)+歯科用陶材

 通常、メタルボンドに使われる金属はセミプレシャス(準貴金属)です。

よりハイグレードなハイプレシャスもありますが、

セラミックとの相性はセミプレシャスのほうが分があるため、

ケースによってはおすすめできない場合もあります。

 

【歴史】

アメリカで1960年代に開発されました。

日本から渡米した歯科技工士の桑田正博先生がDrキャッツらとともに

開発したのです。

 

そして、私の師匠のお父様である保母須弥也先生が

米国から日本にメタルボンドを技術紹介されるとともに

普及に専念され、今に至る、という経緯があります。

 

7年ほど前に桑田先生にお会いしたことがありますが、

100歳まで現役!みたいなことをおっしゃられ、

非常にパワフルで前向き、明るい先生です。

 

このメタルボンドはお師匠さん親子の思い入れのあるセラミック

ということで、私もいつもこのことを思い出します。

 

ということでメタルボンドはセラミックの中で最も歴史があります。

 

【欠点】

①表面はガラスみたいなもの(陶材)なので

いつかは欠けてくる可能性がある

②金属アレルギーがある方にはお勧めしにくい

(金属アレルギーの患者さんの治療原則は金属を使わないほうが良いので)

③年数が経過すると金属部分が歯肉から見えてくる場合もある

④金属部分が光を透過しないので、天然の歯やオールセラミックに比べると

どうしても白っぽく見える可能性がある(特に写真を撮影した場合)

⑤作成に膨大な時間・労力・費用がかかる。

 歯医者さんだけでなく、歯科技工士の技術も相当必要。

 

といったことが挙げられます。

 

ただ、そういう欠点を知ったうえで、メタルボンドを選択されるのであれば

その選択は決して悪くはないと思います。

 

何と言っても歴史が一番あるセラミックですから、その部分に関しては安心感があります。

技術のある歯医者さんと歯科技工士さんのタッグであれば、かなりきれいに仕上がります。

 

歯科業界ではメタルフリー(金属無し)が世界的な流れですが、

このような背景から当院では選択肢として残している次第です。

 

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