歯医者さんが教える!歯の矯正治療と抜歯の必要性①
投稿日:2022年4月14日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol320)
歯の矯正相談や治療希望をいろいろお受けしていて、
皆さんがわりかし気にされておられるのが
「矯正治療をする場合、歯を抜く必要があるかどうか?」
です。
私自身も矯正治療を受けた経験があり、上下の第1小臼歯を抜きましたが、
なるべくなら抜きたくない、という患者さんの気持ちもよくわかります。
まずは歯を抜く確率ですが、
私が手掛けるケースで歯を抜く割合は15%程度です。
ということは、85%程度は抜く必要がない、とも言えましょう。
次に、歯を抜く必要性の判定です。
歯を抜くかどうか?は、
存在している歯のサイズ(横幅)と、顎の骨のアーチの長さ
とのバランスで決まります。
たとえば歯のサイズ(横幅)は平均的には
<上顎>
第1中切歯=9.0㎜
第2中切歯=7.5㎜
犬歯 =8.5㎜
第1小臼歯=8.0㎜
第2小臼歯=6.5㎜
第1大臼歯=10.5㎜
第2大臼歯=9.5㎜
<下顎>
第1中切歯=6.0㎜
第2中切歯=6.5㎜
犬歯 =7.5㎜
第1小臼歯=7.5㎜
第2小臼歯=7.0㎜
第1大臼歯=11.5㎜
第2大臼歯=10.0㎜
となっています。
上顎の第1中切歯から第2大臼歯までの合計は59.5㎜
下顎の第1中切歯から第2大臼歯までの合計は56.0㎜
です。
それに対して、たとえば
上顎の顎のアーチが52.0㎜だったら?
下顎の顎のアーチが50.0㎜だったら?
いずれにしても歯の方が顎よりも大きいですよね?
一般に、
【顎の骨のアーチの長さ】-【歯のサイズ】=【歯が並ぶスペースの過不足】
という計算式が成り立ちます。
この値がプラスならば、歯が並ぶスペースは十分あります。
(ありすぎると、すきっ歯という状態に元々なっているはず)
この値がマイナスならば、歯並びは凸凹になっている、ということです。
この例の場合、
上顎で52.0-59.5=-7.5㎜
下顎で50.0-56.0=-6.0㎜
となります。
つまり、この例では上顎で7.5㎜、下顎で6.0㎜、歯が並ぶスペースが不足するわけです。
このスペースをどうやって埋めるか?を考えなければならないわけですが、
その方法の1つが歯の抜歯、
次に多いのがIPRといって歯と歯の間を削る
という方法なのです。
なるべくならどちらもやりたくはないものですが・・・。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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