歯医者さんでまとめて治療できないか?②
投稿日:2021年11月22日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol253)
★まとめて治療できる内容自体にも限りがある
これが1つのポイントです。
たとえば、歯を抜かなければいけなくなってブリッジや入れ歯を作るとしましょう。
歯を抜いてすぐブリッジや入れ歯を作ることは確かに可能です。
(※「すぐ」と言っても、実際には形取りをして歯科技工士さんに依頼するので
1回では治療は終わりません)
ただし歯を抜いてすぐブリッジや入れ歯を作ると、不具合が起きる確率が非常に高くなります。
歯を抜く場合、ほとんどの場合は歯がかなりひどいことになっていて、歯肉にも炎症が
起きているものです。
原因となる歯がいなくなれば急速に治癒に向かうわけですが、
歯肉の腫れも引いていくので、せっかく作ったブリッジや入れ歯と歯肉との間に
すき間ができてしまいがちです。
できれば歯を抜いて3か月、理想は半年くらい待って、歯肉と顎の骨の治りを待ってから
ブリッジや入れ歯を作ったほうが、こういったすき間ができにくくてしっくりした歯に
なりやすいです。
しかし、そういう身体の治癒反応を無視してスピード重視で治療を進めてしまうと、
問題が起きやすくなるのです。
他にも、急ぐとトラブルが起きやすい治療として代表的なものに根管治療があります。
米国式の根管治療なら1回1時間とか2時間近く診療時間を取って治療しますので
1~3回で終わる場合もあるでしょう。
しかし、そこまできっちり治療をしても、どうしても悪い部分を取りきれない場合もあり得ます。
それなのにせっかちに治療を進めてしまったら、
将来歯根に膿がたまったり炎症が起きて歯肉が腫れたりして、
また治療のやり直しをしなければいけない場合も出てくるかもしれません。
また、治療による身体の反応を観ることもできなくなります。
一般に、悪い部分やその近辺を治療で触ると、痛みや腫れが出やすいです。
ただ、治療が効いていれば、治療を進めていくと良くなっていく様子が
観察できる場合が多いものです。
しかしこういった反応も、1、2回でまとめて治療するとなると観察できなくなります。
そのため、少しでも不安がある点は取り除くべく、
抜歯基準を引き下げて抜歯を積極的にしたり、
普段なら温存できそうな歯の神経もあえて取ったりするなど
かなり守備的な治療をすることになるのかもしれませんね。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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