歯科衛生士研修２日目「経験はすべてに勝る」

千歳烏山KI歯医者の小泉です。（vol７７３）

本日は日曜日ですが、

大阪にある歯科衛生士卒後研修教育機関として

名門のJokanスクール代表の上間京子先生を

今回も東京まで招聘して、終日院内研修を開催しました。

歯科業界に携わって４０年超の大ベテランである上間先生。

今日も研修の最初に、上間レッスン名物と言われている

上間トークから始まりました。

その冒頭に出てきたのがこちら。

「経験はすべてに勝る」です。

どんな仕事にも言えることでしょうけれど、歯科も全く同じです。

経験があることにより、いつ、何を、どんな風にすべきか？が見えやすくなるわけです。

経験が少ない人よりも経験が多い人ほど有利なのも、

経験から得られる知識・知恵がより多いからに他なりません。

そのため、古来より未熟な人は熟達した人から教えを乞い、学び、修練して

技術を習得する、ということが行われてきました。

しかし、日本は残念ながら技術を持った職人をあまり評価しない国のようです・・・。

その風潮からか、若い日本人は教えを乞わない傾向が年々強まっているとか。

例えば美容師さんの例を挙げておられました。

お世話になっている美容師さんが、ロンドンの名門であるヴィダルサスーンアカデミーに留学して

ヘアカット技術を身に着けて帰国された方だそうです。

ところが、若い美容師さんは「教わるつもりはない」と言いのけるのだとか・・・。

理由は、元々美容師志望ではなく、ネイリストになりたかった、とか。

（その理由が本当かどうか？はわかりません。

私にはその若い人がやりがちな言い訳をしているのだろうな、と思いましたが）

その美容師さん曰く、

「信じられないでしょう？ヘアカット技術って、そう簡単には身につかないのに」

と。

これを聴いて、つくづく

「歯科も同じだな・・・」

と私もその美容師さんの嘆きを他人事のようには思えなかったのでした。

スマホが発達し、短絡的に結果を求める人が増えた、とよく言われています。

「タイパ」という言葉がまさにそれでしょう。

教わる態度を知らない若い人達を、私も残念ながらこれまで何度も見てきました・・・。

一方、例えば介護業界ではベトナム、タイの方々が増えていて、

学ぶ意欲があり、優しい人が多いのだそうです。

「歯科もいずれそうなるかもしれませんね」

とどこかの先生がおっしゃっておられた、というお話もありました。

本当はすごく大事な技術なのに、ちゃんと学ぼうとしない。

特に歯科衛生士における歯石取り、シャープニング、スケーリングといった技術を

徹底的に正しく学ぶ場がなぜか日本にはほとんどないのですよ・・・。

日本はこれで良いのだろうか・・・？と心配になります。

諸外国にどんどん負けていってしまわないか・・・？

国力の低下も指摘されていますよね・・・。

せめて、私達はそうならないよう、上間先生から直接ご指導いただける

最後の２年間という大変貴重なお時間と機会をいただいた以上は

がんばるのみであります。

そして早くも、

当院の歯科衛生士さん達は楽しみながら地道に一歩ずつレベルアップをしておりました。

「『学ぶ』というのは最高のぜいたくである」

と林修先生もおっしゃっておられましたが、

いろいろ恵まれないと勉強というものはできません。

感謝して、上間先生の教えをスポンジのごとく吸収していきたい、と改めて思った次第です。

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