歯医者さんが教える!塩歯みがきってどうなの?②
投稿日:2021年5月27日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol171)
塩歯みがきって、良いんでしょ?という質問がたまにあります。
これをおっしゃる方々の前提には、
「塩には殺菌作用があるから」
「昔(歴史を見ても)塩で歯を磨いていたという事実があるから」
塩歯みがきは効果がある、というのがあるのではないでしょうか?
また、塩には水分を浸透圧にて歯肉から吸い出すことによって
腫れた歯肉を引き締める収斂作用がある、というのもあるのでしょうか?
ところが実は塩自体には殺菌作用はありません。
ただ、殺菌作用を示す条件ならあります。
それは、細菌から水分を浸透圧によって抜き取ることができた場合です。
つまり、乾燥した状態になってしかもそれがしばらく持続することが必要なのです。
しかし
お口の中を乾燥させることは困難ですし、すべきではありません。
歯みがきをする状況ですし、なにせ口の中が塩味でいっぱいになるわけですから、
むしろ唾液が豊富に出てしまって湿潤状態に陥るでしょう。
これではさすがに塩で殺菌効果を得る、というのは現実的ではありません。
また、収斂作用についても、歯肉から水を吸い出したところで原因は解決していないのですから
すぐにまた元に戻ってしまいます。
そして残念なお知らせがもう2つ。
塩の結晶自体がとても荒いため、歯を傷つけてしまうのです。
また、お口の粘膜は薄いため、塩分をすぐ吸収してしまいますから、塩分摂取過多となります。
以上の理由から、塩で歯みがきをすることには何らメリットがない、となります。
探している方はこまい歯科までご連絡ください。
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