なぜ歯が痛むのか?①
投稿日:2024年2月7日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol597)
今日からのシリーズはかなり専門的なお話です。
なぜ歯が痛むのか?
そのメカニズムを理解すると、歯の治療を受ける際に
何が自分の身体で起きているのか?について
ある程度理解しやすくなるかもしれません。
(もちろん担当医の先生に説明してもらうのが一番ですが)
そこで、公表されている文献を通してご紹介してみますね。
(引用元 Nociceptive toothache,referred pain and neuropathic toothache
N.Matsumoto Dent.J.Iwate.Med.Univ.33:39-57,2008)
ところどころ専門用語が出ますが、できるだけ大事なポイントに絞って
なるべくわかりやすく解説しますのでご容赦ください。
★歯の痛みを伝える神経経路は2経路/神経の種類も2種類
歯の痛みは
歯→脳幹→大脳
の順番に電気信号として神経細胞を通じて伝達されます。
実はこの伝導路にも2つあります。
1つは新三叉神経視床路(外側三叉神経視床路)、
もう1つは旧三叉神経視床路(内側三叉神経視床路)です。
前者は「どこが?いつから?どのくらい?痛いか?」を認識し、
後者は痛みに対して不快感、不安などの情動的側面が関与しやすい経路
のようです。(大脳辺縁系、前帯状皮質といった情動に関係する領域に電気信号を投射するため)
だから、問題ないはずなのに痛い、痛く感じる、といった場合には
この旧三叉神経視床路(内側三叉神経視床路)に異常がある可能性
も考えなければなりません。
それから、
末梢である歯から脳に向かう痛みの感覚神経は
Aδ線維とC線維の2つ。
Aδ線維はすばやい鋭い痛みを、
C線維は鈍い痛みを
誘発します。
(これらは次回以降の記事にも出てきますので頭の片隅にでも置いておいてください)
★歯の痛みの種類
発生原因から4つに分類できます。
①侵害受容性歯痛(=歯原性歯痛):歯や歯根膜に原因があって生じる歯痛
②関連痛:歯以外あるいは痛いと感じる歯以外に原因があって生じる歯痛
③神経因性歯痛:末梢神経あるいは中枢神経の機能異常によって生じる歯痛
④心因性歯痛:心理的原因によって生じる歯痛
1つずつ見ていきましょう。
①侵害受容性歯痛(=歯原性歯痛)
虫歯、歯髄炎、歯根膜炎などによる通常の痛み。
細菌、炎症物質などの刺激によって痛覚受容器である
自由神経終末が興奮することによって起きます。
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どうでしょうか?初回にして既におなかいっぱいになった読者の方も
おられるのではないでしょうか?
全部を理解するには専門的すぎるので無理しないでくださいね。
ただ、こういった基礎医学って実はすごく大事ですので
私はこれからも大事にしていきたいなと思っています。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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