痛くない歯医者は名医?②
投稿日:2021年12月1日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol257)
痛くない、痛みをすぐ取ってくれる。
そんな歯医者さんだったら、誰でも嬉しいものですよね?
一方、「痛み」の本当の原因って、実は虫歯だけではないんです。
人間の身体なので、様々な原因が実はあって、その中から
歯医者さんは皆さんの状態を診察した上で、
推理探偵のように推理して、ヒントを集めて
原因を突き止めていく作業(診断)をしているわけです。
難しいのが
①原因が複数ある
②痛みがどこから来ているのか?がはっきりしない
といったケースです。
たとえば、次のようなケースがあります。
「奥歯がジンジンする。とても痛い。歯の神経を抜いてほしい」
と訴える患者さん。
往々にして、歯に何かしらの詰め物やかぶせ物がしてあり、
その下が虫歯になっていたり、あるいは過去に虫歯があって神経の保護材がはいっていたり、
ということがあります。
それで、その歯医者さんがその状況から「歯の神経を取らないといけない」
と判断して歯の神経を取ったとします。
しかし、実は歯自体に目に見えないヒビが既に入っていた場合、
痛みは取れても違和感がずっと続いてしまう、というケースもあります。
あるいは、その患者さんが実は筋・筋膜症という状態で、
歯の神経を取ったにもかかわらず
痛みが取れない、痛みが続く、
というケースもあり得るのです。
これらのケースでは、最初に歯の神経を取った歯医者さんの診断の甘さも
あるかもしれません。
しかもこういう場合、患者さんが不信感を抱いてセカンドオピニオンや
転院をしてしまうケースもよくあるものです。
そして、2番目の歯医者さんで正確な診断に至り、
痛みや違和感を取り除くことができた。
医療の世界では、こういう現象は有名で、
「患者さんにとって2番目に受診した歯医者さんが名医になりやすい」
と言われているのです。
(これはお医者さんでも全く同じことが言えます)
それもそのはず。
1番目の先生の診断が外れだったのですから、
2番目の先生は、1番目の先生の対応に様々なヒントももらえている状態です。
そして残りの選択肢から診断名を選べば良いのですから、
正解しやすい状況になっているわけです。
こういうことを知っている歯医者さんは、
あらゆる可能性を最初から考えていて、
原因が複合しているようであれば1つずつ原因をつぶしていく、
それも害のない範囲から。
そのように診察してくれるのではないでしょうか?
だから患者さんもより賢明になるには、上記のことを知っておく必要があります。
そうしないと、本当の名医が1番目の先生だったのに
とんだ誤解や早とちりで真逆の判定をしてしまう危険性があるからです。
ただ、この方法の欠点は、患者さんがせっかちだった場合です。
「何でもいいからすぐ痛みを取ってくれればそれで良い」
もしそのようにお考えだとしたら、そういう歯医者さんをお探しになられたほうが
その方にとっては名医になるだろうな、と思います。
ここまでくると相性の問題もありますから・・・。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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