歯医者さんが教える!レジン充填の利点と欠点
投稿日:2021年2月19日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol129)
歯医者さんで小さい虫歯を治す場合、
白い詰め物をしてもらいますよね?
それらはほとんどの場合、レジン充填だろうと思います。
(ダイレクトボンディングという治療名称もありますが、
材質がより良いものを使用しているという点以外は同じです)
レジンというのはプラスチックみたいなものです。
液状に近いものから粘土状に近いものを歯に詰めたら
紫外線を当てて固めて、成形して磨けば完成です。
【長所】
1.治療が1回で済む
2.削る量が少なくて済む
3.白い
この3つが最大の売りです。
一方で欠点もあります。
【欠点】
1.中長期的には虫歯になりやすい
2.取れたり欠けたりすることがある
3.中長期的には変色してくる
インターネット上ではあまりこの欠点が述べられていないようですので
ここに記載しておきましょう。
1.中長期的には虫歯になりやすい
これはどういうことか?というと、理由があります。
①レジンには抗菌性がない
②レジンは固めると収縮するが、収縮するせいで歯とレジンの接着付近に
すき間ができてしまう
③レジン自体が劣化しやすい
④テクニックセンシティブである
このうち、④は特に見落とされがちです。
これは歯医者さんの治療過程でのことですが、
1つ1つの治療工程を相当厳密に行わないと
接着力が発揮しきれないことにより、
歯とレジンの接着が甘くて虫歯菌が侵入しやすい、
ということです。
ちょっと専門的ですが、1つ例を挙げて解説してみます。
たとえば
エッチングといって
歯の表面処理の第1段階ではエナメル質をリン酸処理して
歯の表面を凸凹にします。
この処理の時に、
・事前に歯の表面の汚れがついていないことを確認できているか?
・治療対象の歯の表面に水がついていなかったか?(←水があるとエッチング効果が弱まる)
・治療対象の歯の周囲に水がないか?
(←油断すると水が治療対象の歯に流れてきてエッチング効果が弱まる)
・エッチング処理中に唾液がつかないように維持できるか?
(←充填し終わるまで当然維持が必要ですが・・・)
・既定の秒数の処理時間を取っているか?(←タイマーで計測しているか?)
・象牙質までエッチングしないよう配慮できているか?
(←象牙質にはリン酸を塗布してはいけない)
これらの項目を全てクリアしないとエッチングの効果が発揮されません。
このこと1つとっても、
相当気をつかわないとレジン充填はうまくいかず
意外と難しい治療だ
ということがご理解いただけるのではないでしょうか?
もちろん歯医者さん達はこういうことを頭に入れて治療を頑張ってはいますが、
レジン充填は決して簡単ではない、ということだけ覚えておきましょう。
世田谷区・千歳烏山でセラミック治療をご希望の方は
こまい歯科までご連絡ください。
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