歯医者さんが教える!根管治療すれば元に戻る?②
投稿日:2024年2月5日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol596)
「歯が痛くなった」
「腫れた」
そうなってからいざ治療するという場合、
多くの場合で根管治療(※)が必要になります。
※根管治療とは
虫歯のせいで炎症が起きて痛くなった歯の神経を取る、
あるいは神経は既にないけど歯の中でばい菌が増えて歯根の先が膿んだり
歯が腫れたり痛むようになったりした場合に歯根の消毒をする、
という処置のことを言います。
皆さんは
「根管治療をすれば元に戻る」
と思いますか?
元に戻る、とは何でしょう?
全く痛くなくなる。
全く違和感がなくなる。
歯の強度が元通りになる(100%回復する)。
歯の寿命が元通りになる。
これらが実現されれば、確かに「元に戻る」と言えますよね。
でも現実は・・・
月に1、2回は少し痛んだり違和感を感じることがありうる
歯の強度は弱くなる(健康な状態に比べて50~80%のレベル)
歯の寿命は元の半分以下になる
ということなのです。
なぜでしょう?
まず、歯の神経を取る場合。
歯の神経は、脳神経の1つである三叉神経(上顎神経・下顎神経)の一部です。
根管治療では歯の神経を取るわけですが、歯根の尖端あたりで切断することに
なります。
歯の痛みという感覚は
歯→三叉神経節を経由→脳幹→大脳
という順番で最終的には脳に入力されて「歯が痛い」と感じます。
ここで、根管治療により歯の神経を取ると、
歯の痛みを伝える神経細胞の一部が当然傷つきます。
すると、神経細胞が異常に興奮して閾値が下がったり
痛みを発現する遺伝子が出現して痛みが出やすくなったり
するという、末梢神経性の痛みが起こりうるのだそうです。
ちょっと専門的になってきましたね。
この辺にご興味のある方は
1つ良い論文がありましたので
後日それを当ブログでご紹介予定です。
お楽しみに。
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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