歯医者さんが教える!できるだけ歯を抜きたくない方へのアドバイス③
投稿日:2021年5月7日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol162)
抜歯宣告されやすいケースの2つめです。
2.歯根が横に折れている
多いのは上の前歯かと思われます。
これは歯にかかる力の方向が、おおざっぱに言えば
奥歯あたりは垂直方向に
前歯あたりは水平方向に
それぞれかかり続けるからであろうと考えられます。
運が良ければ歯肉ぎりぎりのところで歯が水平的(横)に
ボキッと折れて、残った歯根はぎりぎりセーフ、となることも
あります。
しかし、運悪く歯肉の下深くの部分まで歯が横に折れている場合、
やはり抜歯が原則となってしまいます。
ただ、回避できる可能性のあるケースもあります。
それは、残った歯の長さがとても長くてしっかりしている場合です。
それならエクストルージョンという方法が考えられます。
エクストルージョンとは、歯を矯正力もしくは外科的に引っ張り出して
温存する手法のことです。
一般には矯正力を用いて引っ張る方法がほとんどです。
基本的には前歯、犬歯、小臼歯までが対象です。
大臼歯と呼ばれる奥歯に対しては、条件がよほど恵まれない限り
あまり推奨できるものではありません。
あと欠点は、
時間がとにかくかかること、
費用もかかること、
歯を引っ張る力に相反して、支点となる周囲の歯も一緒に動いてしまう危険性があること、
仮歯や装置が取れる可能性があること、
歯を引っ張り出すことによって歯自体が短くなるので
中長期的にどこまで歯が持つか?が読めない面がある、
などが挙げれます。
そういった欠点に目をつむりさえすれば、エクストルージョンは
歯を残す強力な手段となりますので検討の価値は十分あるでしょう。
なおエクストルージョンの症例は当院ホームページにも掲載しておりますので
ご参照ください。
お探しの方はこまい歯科までご相談ください。
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