歯医者さんが教える!歯医者さんによって歯の削り方が変わる理由
投稿日:2023年2月8日
カテゴリ:ドクターズブログ
こまい歯科の小泉です。(vol462)
患者さんからのご質問で
「歯医者さん(先生)が違うと歯の削り方も全然違うと感じますが、どうしてですか?」
ということがありました。
これは当然です。
手前味噌ですが、
私は都心にある卒後教育研修機関で、全国から集まってきた歯医者さんに
歯の削り方を指導した経験があります。
実はその研修にいらしていた歯医者さん達の中に
私の出身大学の4つ上の先輩まで混じっておられ、
びっくりしたこともありました。
いずれにしても私が指導した先生方はほとんどが私より年上の方ばかりで、
当時私と同年代と年下は3人くらいしかいませんでした。
その研修機関では、マニュアルで説明し、動画で説明した上で、
歯を削るステップごとに示した模型まで用意していました。
これならいつ、誰がどこで行っても、一定の結果を出しやすくなるからです。
(米国の研修機関でもマニュアルはないものの大体このようなやり方になっていました)
しかし、最初はその通りに削ることのできた先生が非常に少なかったのです。
考えて見ればこれは当たり前で、
実は歯の削り方にはわかりやすく言うと「型」というのがあります。
この場所は1.0mmで、ここはこういう理由で1.5mmは必要だ、
このポイントは詰め物が合いにくくなる原因になるから角度に気をつけよ、
そしてどこそこは歯が薄くなりやすいからこういう形にして歯が薄くならないように
すべきだ、といったような感じです。
こういった「型」を身につけるには訓練が必要なのです。
その訓練をその日初めて行うわけですから、いきなりきれいに歯を削ることは
至難の業と言えましょう。
実際、私も丸2年、毎日トレーニングして師匠にしごかれました。
この写真は今から18年前、恩師の保母先生に直接ご指導いただいた場面です。
そして私自身もそれからずっと自己鍛錬を積み重ね、
まさに今、20年目を迎えて、
またさらに一段レベルアップした感覚を得ました。
どの業界の仕事でも、何かを習得しようとすると修練に最低数年かかるのはザラ、
そして10年経験しないと一人前とは言えない、ということがよく言われています。
さて、この訓練(簡易バージョンですが)を後進の先生達にもしてもらったことがあります。
しかし、結局は私から「合格」の印を得た先生はごく少数で、
あとの先生達は途中で自分に満足してしまい、そこで訓練を止めてしまいました。
地道に努力を積み重ねる、という作業には
変なプライドを捨てると同時に根気やある程度の情熱が必要ですが、
意外とプライドを捨てるのも難しいですし、仕方ないですね。
しかし、そういう努力をして「型」を体得できた先生と、
努力も大してしない、あるいは自己満足に陥っている先生とでは、
当然、技術(歯の削り方)に大きな差が出来るのは当たり前ではないでしょうか?
をお探しの方はこまい歯科までご連絡ください。
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