インプラントとブリッジで咬み合わせを回復した症例
インプラントとハイブリッドセラミックスブリッジで治療した症例
▼こちらの患者さんは、他の歯科医院で下顎の左右奥歯に入れたインプラントが炎症を起こして腫れと痛みが出たため、そのインプラントを抜いた上で当院に転院されてこられました。
初診時の口腔内
費用面も気にされており、理想はインプラントで左右奥歯を治したいとのご要望でしたが、前の歯科医院で既に費用を支払ったこともあり、金銭的に難しいとのことでした。ご相談の結果、右側の大きな欠損部分はインプラントで、左側はご自身の歯を利用してブリッジを入れることで費用面の問題を可能な限り抑えることになりました。
ステントの作成~CT精密検査
インプラントができるかどうか?を診断するためCTを撮影します。特に食べ物が歯につまらないようにして欲しい、と強いご要望があったこと、噛む力がかなり強いこともあり、正確な場所にインプラントを入れられるように、事前に歯科技工士とディスカッションの上でステントと呼ばれるマウスピースを作成しておきました。
これにより、必要なインプラントの本数と適正な位置関係をより具体的にイメージすることが可能となります。
作成したステントを患者さんに装着していただき、CTを撮影しました。その結果、インプラントを計画している場所の顎の骨の断面図から、骨量ならびに骨幅、骨形態、下歯槽神経・血管との位置関係などが判明しました。いずれの項目も十分にクリアしており、安心して手術に臨めることが分かったため、患者さんもほっとされていました。
インプラント手術の実施
インプラント手術直後の写真です。無事、計画した位置にインプラントを2本埋入できました。この後、インプラントが定着するまで念のため3ヵ月の待機期間を設けました。
完成した上部構造(ハイブリッドセラミックスのブリッジ)
インプラントが定着したことを確認し、歯型を採ってアバットメント(土台)とブリッジを作成しました。ブリッジはハイブリッドセラミックスでできております。外側からは金属部分はほとんど見えず、かろうじて舌側の奥の方に露出していますが、日常生活で金属部分が見えることはまずありません。
お口にブリッジを装着してインプラント治療の完了
アバットメントとブリッジをお口の中に装着しました。ハイブリッドセラミックスは経年劣化により着色しやすいことから、患者さんとご相談の上で、少し白めに仕上げてあります。
こちらの患者さんは、他の歯科医院でインプラント手術を受けましたが、インプラントが定着せず、しかも痛かったとのことでした。
そのため歯が完成するまではどこか不安に思っておられたようですが、無事に歯ができて大変安心され、満面の笑顔を見せてくださりました。
左側奥歯のブリッジ製作
ハイブリッドセラミックスブリッジが歯の全周に渡って精密に作られていることも確認しました。
左奥歯にブリッジを装着して全ての治療が完了
下顎左側の奥歯にハイブリッドセラミックスブリッジを装着した直後の写真です。
歯がないダミーの部分にあたる歯の形は、食べ物が入りにくいように設計し、予め試しておいた仮歯と極力同じような形にしてあります。この点も患者さんにご安心いただけたようで、大変喜んでおられました。
治療はこれで終わりですが、本当に大切なのはこれからです。定期的なメインテナンスと、患者さんご自身での日々のお手入れがとても重要ですので、これからも長いお付き合いになりますが、経過を丁寧に追っていきたいと思っております。
年齢/性別 | 40代女性 |
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治療期間 | 9ヵ月 |
治療回数 | 15回 |
治療費 | インプラント手術(ジンマー社) 270,000円(税込297,000円)×2本 メタルカスタムアバットメント(ジンマー社) 56,000円(税込61,600円)×2本 ハイブリッドセラミックスクラウン 81,000円(税込89,100円)×6本 根管治療3,000円程度(保険診療内) ファイバーコア 26,000円(税込28,600円) |
リスクなど | ・根管治療した歯は根尖病巣が再発する可能性がある。 ・根管治療した歯は将来歯根が折れる可能性がある。 ・歯磨きが足りなかったり、定期検診と清掃を怠ったりすると、インプラントはインプラント周囲炎になる可能性がある。 ・かぶせ物のハイブリッドセラミックスが欠けたり、割れる可能性がある。 ・長期使用によるブリッジの劣化により、ブリッジを交換する必要が出る可能性がある。 |